きいてね!


「で、エレベーターホールまでの道がこの道ね」

床に描いた地図の道筋を示す。


「此処の○印が交差点なんでヤツらが襲って来るかもだから気を抜かないでね!で、えーと」

「炯至、いいか?…その…、そもそもなのだが…アイツらはなんだ?人間的な形だったが、先程の様子を見るに、何と言うか…」


緑間が恐る恐るというように質問する。
まあ先程の今であるからしょうがない。
…さてさてどう説明しよっかなー


「俺らはアイツらを…まあそのままなんだけど、コープスって呼んでる。正直どういう生物なのか、どうしてココに居るのかは知らないが、いくつか確かな事がある。」

しん、となる会議室にみんなの息遣いが聴こえる。


「アイツらは、俺らを殺す。
ただそれだけのためにここに居る。」


ひゅっ、っとみんなの息が止まる。

いきなりこんなトコに連れてこられてあんな化けモンに殺されそうになれば、この反応でも落ち着いた方とは言える。


「…そ、んな…」

辛うじて声が出せるといったところか。


「まあでも、お前らはツイてるよ。
なんたって仲間こんだけいんだし、それに俺らっていう先パイもいるしな!」

それに耳を傾けていたちゃむがうんうん、と大きく頷いた。だって俺ら来たときなんかもっと修羅場ってたしね。


「俺らが来たとき……?」

「どういうことだ?」

ざわざわとした中で陽泉の……名前がわかんない、怒られそうだけど陽泉で1番背の低い彼(福井さん)がきく。


「そう、俺らが来たとき。」

「やー、あん時はキツかったなぁー。
訳もわからんかったし、いきなりだったもんな」

「なー。」

はは!と今は笑えるように話せるが、ここに来た中2当時は本当にキツかった。辛かった。苦しかった。哀しかった。殺されるかもしれない恐怖と終わらない夢。よく生きてたよなぁと感心する。

えっ、とそれに反応したのはテッちゃん。
まあ、仲のいい奴らがそんな修羅場ってたとかびっくりするだろうね。


「炯至、音が聴こえる。」

「お、来た?まあ、俺らが来たときとかは向こう行ってからな」

ちゃむからとべちゃんがもうすぐ着く事を教えられた。
が、俺はとんでもない事に気がついた。
帰宅作戦(笑)の説明が途中であると……!


「えーと……?どこまで話したっけ」

「まあ、炯至の話はまた聞くことにするよ」

「そうしてー。で、あー……、あ、そう、○印が交差点だから気をつけてねってとこまで話したよな」

「ああ、」

「今ここにいるのが6校5人ずついるから、もうすぐ来るとべちゃんってヤツと俺とコイツの3人で2校ずつに分けて担当する。」

「別々に行くのか?」

「いや、担当は決めとくけど、行くのはみんな一緒に行く」

「大勢で行くとそれだけ狙われるんじゃないか?」

「それも考えたけど、ここに残っても敵は来る時は来るし。1人10人護って行っても殿から襲われたらたまったもんじゃねぇし。それなら3人で30人の方が先頭と殿、真ん中でフォローが出来るしな。」


それもそうか、と現状把握の努める3年や主将組の質問に応えて納得させる。人間纏めるのはやっぱ上からやった方が楽である。


「えー、ならなんで2校ずつに分けるのー?」

洛山の葉山が訳わかんない!というように言うとちょいちょい足りてないというか。そこまで頭が回らない連中の上に「?」が見えた。


「そりゃフォローするからって万全じゃねぇもん。どっかでバラけるかもしれないだろ?万一を考えてある程度決めとけば護りやすいしな」

そういうとなるほど…!と聞こえてくる。
大丈夫かなー、コイツら。
心配になってくるが、まあ成る様になるだろ。


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