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…はずである。
「はい、しゅーりょー」
「ういー、おつー」
コツンと、硝煙が立ちこめる中、ラス1をさっくりと倒して傷一つないちゃむとハイタッチ。というか、拳をあわせる。何時からかはもう忘れてしまったが、俺とちゃむととべちゃんのお決まりの仕草だったりする。
戦闘の始まりは突然でもやっぱり終わりの区切りはしっかりしたいじゃん?緊張しっぱなしってのも続かないモンだよ。
「とべちゃん、周りどんな感じー?」
【あー、来た方向の反対側はどうか分からん。が、とりあえず通った道には居ねぇな】
「おっけー。」
引き続きよろー、なんて軽く言って。
戦闘で警戒心を煽ってしまった後ろの空気を少しでも和らげようと努める。ホンネは激しく面倒くさい。なんてちゃむは絶対に思っている。いや、正直俺も。
しかしながら。
テッちゃんいるし、まあ、中学の時色々あったとはいえ、仲良くしてたキセキの世代とかその先輩たちを置いても行けない状況なわけで。いや、置いて行けるモンなら置いていきたい。人数増えても余計ややこしい事になるのは目に見えてるし。
まぁとりあえず1度安全地帯に引き返すか考える。足で纏い連れてとか、マジ無理!
「どうする?」
【来た方向ならカメラ付いてるし援護できるぞ】
2人も引き返す考えに至ったのか今後の進路を示唆する。
ちゃむがマチコが!
と騒いでいるが無視である。
そんなのに構ってられるかってww
「いや、とべちゃんこっちこれる?」
戦闘で倒した奴から出た戦利品を拾いながらインカムの向こうのとべちゃんに言う。
「とべちゃんも付けんの?」
最後のでジャムったマチコ(ちゃむ命名)を泣きながら綺麗に掃除をしつつ、マチコが直らなかった場合のサヨコ(とべちゃん命名)の予備装備を装着済のちゃむがきょとん、とした顔で問う。
いや、まあね。俺も3人掛かりで行くのもどうかなぁ、とか色々考えたんですけどね。
「とりあえず先頭と殿で割かれたら真ん中余裕ねぇじゃん」
「まあなー」
【あー、人数が人数だしな】
ちらり、と奥を見る。
そうなのだ。人数が人数ってやつである。30人て事は2人あたり15人とかでしょう。やだ!
やってられるかってんだ!
というのは正直ホンネだが、ああいう、ゾンビ的な奴や、まあ、認識外のナニカに襲われそうになると人間パニックを起こすのは必然なワケで。前後ろからなら対応出来るけれど真ん中に来られてはちゃむと2人きりで30人全員を護るのはキツい。
【けど大丈夫か?
こっち誰も居なくなるぞ?】
肝はそこなのだ。
とべちゃんがこちらに来るという事は予測戦闘が出来なくなるというリスクがある。
監視カメラを付けるメリットがそこなのだが、それでもそのリスクを犯してもとべちゃんには来てもらう。
「まあ、アテはあるから大丈夫だと思いたいね!」
【希望的だなぁ】
「それがとべちゃん、炯至だよー」
そんな事はない。
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