「2次方程式は楽しいよねー
多項式ほど楽なものはないよ。
でも放物線ほどめんどいのもないな」

テツヤが2次方程式を解く。
では俺は漫画を買いに行くか

「高校はさー、ジジババんとこ行こうかなーって。じじぃがぶっ倒れてなー、ばあちゃん大変そうだし、歳が歳だから心配でなー?」

「……大和くんは、大丈夫なんですか?」

たぶん、その後に色々とって付く。
バスケ部とか受験勉強とか。

「勉強は公立校狙いだし今のまんまで大丈夫かなー。そこまで灰色じゃないよー」

いやー、こんな時私立で良かったと思った。
アホみたいに授業スピードはえーもんなー

「俺よりテツヤでしょ。どこだっけ、新設行くんでしょー?倍率高そー」

「…誠凛です。去年の夏、落し物を届けた」

そこで思い出したのか、テツヤの顔がふと少し柔らかくなる。俺はテツヤのバックに入っているであろう黒いリストバンドを思い出す。

「いい出会いがあるといいねー」

ポンポン、と俯いていたテツヤの頭を撫でる。俺の言葉に、小さくはい、と応えてさらに数学のノートを写す。

俺は本棚から違う漫画を取り出す。
あの続きはテツヤと息抜きがてら
一緒に買いに行こうかな

駅前の本屋に行こう。
斜向かいがマジバだから休憩しましょう、
とか言ってシェイクを買わされるんだろうけど、お腹空いたから俺はチーズバーガー食いたいし。まぁ、良しとしよう。


例題はあと一つ。
三平方の定理だ。



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