※記念の日、ということもあって2人が仲良し設定。
ややキャラ崩壊気味注意。
雷門サッカー棟内、某所にて
「なぁ、剣城!今日って俺たちの記念日なんだって」
「俺たちの…?意図が掴めねぇから、落ち着いて話せ」
「今日は8月10日だろ?俺の背番号8と剣城の背番号10!」
「……くだらねぇ」
キラキラとまるで世紀の大発見をしたかのような誇らしげな顔で語る天馬を見て、剣城はくだらないと一蹴する。
たかが番号だ。
今着込んでいるユニフォームを脱いでしまえばそんな戯言も言えない。
だから更衣室へ向かって今すぐにでも着替えてしまおうと足を向ける。
しかし天馬の腕がすぐに行く手を阻んだ。
「俺、少しでも多くのことを剣城と共有したいんだ!!」
「自分で言ってて恥ずかしくならないか?」
「え、どうして?」
ああそうだ。
松風天馬とはこういう奴なのだ。
自分が信じていることを一切疑わない。
ひたすらに真っ直ぐな奴なのだ。
こう言ったら自分がその記念日とやらに付き合ってやるしかないだろう。
「……で? その記念日だから何するんだよ」
1つ浮上した疑問を口にすると、途端に天馬は黙り込む。
「つまり記念日って事実にはしゃいで、他に何するか考えてなかったって訳だな」
「だ、だってとりあえずお祝いしたかったから……」
まるで叱られた子犬のように少し身体を縮めて、項垂れてしまった天馬を見た。
さてどうするかと剣城は考えを巡らせて、ある一案を思いつく。
「天馬」
名前を呼んでやり、顔をあげた天馬の胸倉を掴んで引き寄せる。
突然の出来事に双眸を揺らして戸惑う天馬の唇に己の唇を合わせた。
「ンぅ……?!」
「いつもお前から。たまには俺から」
そう言ってにんまり、意地悪く微笑むと剣城は胸倉から手を離す。
そして着替えるために更衣室へと歩き出してしまった。
1人取り残された天馬はずるずるとその場にへたり込むと口元を腕で覆った。
顔は湯気が出そうなほどに蒸気して、真っ赤に熟れていた。
「ず、ずるい……!」
消え入りそうな声で呟いたそれは誰もいないその場に響いた。
***
8月10日は天京の日!
という勢いに任せて書きました!