マシンガントーク


ある日の昼休み。
明琉は珍しく土方とではなく、神楽、妙といた。
お弁当を広げ、楽しそうに談笑している。



「そういえば明琉ちゃん、今日は土方くんと一緒じゃないのね。」
「行かなくていいのカ?」
『うん。たまには女の子同士で食べたいなって思ってさ!』
「そう。で?どうなの調子の方は?」
「上手くいってるアルか?」
『うーん…トシったら素直じゃないからさぁ…』



はぁ…とため息をつく明琉は、お弁当をつついていた箸を止め聞いてくれる!?と二人の返事も待たずに喋り出した。



『あたしがいくら好きだって言っても軽く受け流すんだよ!?抱き着いたら離れろって怒鳴るしさ!別によくない?抱き着いたって減るもんじゃないんだから!あ、でもね!抱き着くと必ず顔赤くさせるの!もうそれが可愛くてさぁ!照れてるトシも素敵なんだよ!でもやっぱり冷たいのは変わらないんだけどね。あぁでもそんな冷たいところも大好きっ!きゃー!』


妙や神楽に発言の隙を与えず。
明琉のマシンガントークが続いた。しかも息継ぎなしである。


「でも明琉。トッシーのどこがいいアルか?あんなマヨラー…」
「そうよね…確かに顔はいいと思うけど…マヨラーはねぇ…?」
『どこがいいって言われても……しいていうなら全部!』
「「全部?」」
『うん!顔も仕草も笑顔もマヨラーなところも怒ってるところも照れてるところも…全部好き!』


そう話す明琉の表情は、恋する乙女で…とても幸せそうに笑っていた。そんな明琉を、妙は微笑ましそうに、優しい笑顔で見つめた。


「ふふ…明琉ちゃん嬉しそうね。」
『そう?』
「ウン。気持ち悪いくらいニヤけてるネ。」
『気持ち悪い!?酷くない!?』
「まぁ、頑張ってね。」
「祈ってるヨ。…フラれるように。」
『一言余計なんだけど!!神楽なんて…っ神楽なんてタコ様ウインナー鼻に詰まって死ね!』
「お前が死ね!」
『いや神楽が…!』
「二人とも?」
『「わぁ、タコ様ウインナー超うまーい。」』



妙の黒い笑顔に、青ざめる神楽と明琉は棒読みながら仲良しさをアピール。






その翌日。


『トシ!今日は一緒にお昼食べようぜー!』
「…はぁ…昨日は平和だったのに…」



案の定土方に引っ付く明琉の姿が見られたとか。
つかの間の平和だったな、と遠い目をする土方だった。

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