いざ、遊園地へ(プール編1)


待ちに待った夏休み。
最初の1週間、明琉は家族でイタリアに行った。
プライベートジェットでのイタリア行きらしい。
しかもイタリアには雲仙家が所有する別荘に泊まるらしく、それを聞いた時、土方達は揃って「この金持ちが!」と悪態をついたとか。


イタリアから帰ってきて三日後。今日はいつものメンバーで最近出来たばかりだという、遊園地へ行くことになっている。
プールで遊んだあと、乗り物制覇という予定だ。遊園地というものなど行ったことのない明琉は、朝からワクワクしっぱなし。リムジンで行こうと思ったのだが、今日は庶民に付き合えと言われたので電車で遊園地まで向かう。(駅まではリムジンだったが)


「明琉ー!」
『神楽ー!』

駅には、もうすでに皆揃っていた。明琉の姿を見つけた神楽が手を振ると、明琉も気づいたのかおーい!と手を振りながら走ってきた。たった1週間ちょっと会っていないだけだが、久しぶりに感じた。


『トシー!久しぶりー!会いたかったよマイダーリン!』


土方にダイブする明琉。
てっきり神楽に抱きつくとばかり思っていた土方は完全に油断していて、思いきり後ろに倒れてしまう。


『あぁ、トシの匂いだー…イタリアもいいけど、やっぱり日本が一番落ち着くね!大好きだぞトシーっ!』
「どうでもいいから降りろー!!」


周りからの視線が痛くて、耐えられないというように叫ぶ土方。しかしなかなか土方の上から降りようとしない明琉。見かねた妙が引き離したおかげでようやく事態は落ち着いた。


『あ、そうだ。これお土産!』
「あら、ありがとう。」
「食いもんアルー!キャッホーイ!」


イタリアからのお土産を一人ひとりに手渡す明琉。



土方以外の男子へのお土産は、適当らしく、そこら辺に落ちていた石だという。理不尽だ、と思い落ち込む彼らだが、実はその石はパワーストーンだったりする。なぜ秘密にしているかはただの意地悪で、だ。




電車に乗り、目的地である遊園地へとやってきた明琉達。
新しくできただけあって、まだまだ綺麗だった。まずはプールからだ、とそれぞれの更衣室で水着に着替え、あらかじめ決めておいた待ち合わせ場所に先についたのは男子軍。


「お妙さんの水着姿……」
「…近藤さん、鼻血出てんぞ。」


鼻血をダラダラ垂れ流す近藤に、引きつった顔を向ける土方。
眩しい夏の太陽を見上げ、目を細めた時。『おーい!お待たせー!』明琉の声が耳に届いた。



『と、トシの水着姿…!最高じゃないの!カメラカメラ!』
「撮らなくていいから!」



水着姿の女子軍。
中でも明琉の水着姿は飛び抜けて可愛かった。真っ白なビキニで、下はスカートタイプ。胸元のリボンがまた一段と可愛さを引き立てていた。髪もポニーテールではなくサイドに纏められており、いつもの赤いリボンではなく向日葵のコサージュがついている。いかにも夏らしく、爽やかな感じ。


「…明琉って意外と胸あんだなぁ。」
『ちょっと総悟くん、アンタどこ見てんのよ!』
「土方さんもそう思いません?」
「はぁ!?な、ななんで俺に振るんだよ!…っ知るか!」


一度だけ明琉の胸を見た土方は、真っ赤な顔を隠すようにそっぽを向いてしまう。


「お妙さーん!み、水着姿も美しいですね!俺はお妙さんの小さな胸好きで「死ね!!」すあばぁ!!」
「近藤、貴様僕の妙ちゃんを変な目で見るな!殺すぞ!」


「ま、まぁまぁ。そんなことより早く泳ぎませんか?」


苦笑する新八の言葉に、皆はようやくプールへ足を入れるのだった。




***
何回かにわけて書きます。
そして山崎が空気…(苦笑)
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