ガールズトーク
休憩中のことである。
各々が水分補給したり仲間と談笑したりして体を休めている。その間、マネージャー達も一休み。
女子四人で固まり雑談に花を咲かせていたら、


「今日もあっついですねー。」
『夏だからね。』
「あの、前から聞きたかったんですけど。お姉様って彼氏とかいるんですか?」
『彼氏ぃ!?』

突然何!と呆気に取られた表情の美麗。
朋香は、「すごく気になってました」と目を輝かせる。

「それ私も気になります!」
「…わ、私も、少しだけ…」

女子三人はワクワクした表情で見ている。
美麗は口元をひくつかせた。ちなみに、興味があるのは女子だけではなく男子もだ。ひそかに聞き耳を立てている。

『彼氏なんているわけないでしょ。』
「えええ!?嘘だぁ!」
『嘘ついてどうすんのよ。』
「意外…先輩すっごく綺麗だし、絶対いると思ってた。」
「私も…。」
「でもお姉様モテますよね?」
「モテないわけがないですよね!こんなに綺麗で可愛いのに!ねぇ桜乃!」
「うん。美麗先輩はホントに素敵で…憧れます。」
『……あ、ありがと。』

ベタ褒めされ、少し照れたように頬を染め笑う美麗に、三人はやっぱり可愛い。と心の底から思った。

「じゃあ好きな人はいますか?あ、恋愛の方ですよ。」
『残念ながらいないわね。』
「えー?恋愛しなきゃもったいないですよー!」
『そういう朋香は好きな人……あぁ、リョーマが好きなんだっけ。』
「はい!もうリョーマ様かっこよすぎて…!」
『…あんなちびっ子のどこがいいんだか…ま、一年なんてそんなものか…。』
「?何か言いました?」
『ううん。なんでもない。』
「じゃー先輩の好きなタイプは?」
『タイプ?うーん…』

腕を組み、頭を悩ませる。
女子はワクワク、男子はドキドキしながら美麗の答えを待つ。

『…王子様みたいな人…』
「「「王子様?」」」
『そう。白馬に乗ってね、迎えに来てくれるの。そういうのいいなぁって思ってる。』
「「「「「………」」」」」

うっとりと遠くを見つめる美麗に、女子も男子もア然とした。意外とメルヘン思考なことにびっくりするしかない。

「た、確かに憧れですよね!」
「う、うん!」
「お姉様それ本気で言ってます?」
『半分本気。もしかしたら!って期待はしてる。』
「…王子様って言ったらリョーマ様よね………はっ!まさかお姉様リョーマ様狙ってるんじゃ!?ダメですからね!?いくらお姉様でもリョーマ様は譲りませんよ!」
『私自分より背が低い人は嫌だ。』
「じゃあどのくらいの身長が理想なんですか?」
『170以上。』
「ちなみに、あそこにいる男子の中では誰がタイプですかっ?」
『あの中で?うーん………』

男子達をゆっくり見渡し、考える。
が、やがて静かに笑って、『秘密』とだけいうのだった。
_8/14
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