わたしが先輩と出会えたのはひとえに友人である真波山岳のおかげだったりする。そんな山岳があくび交じりにわたしに問いかけた。

「なまえってさあ、荒北さんのどこが好きなの?」
「かわいいところ!」
「あとは?」
「かっこいいところ!」
「それから?」
「なんだかんだ言ってわたしのこと構ってくれるところに愛を感じる!」
「なまえってタンジューン」
「人を好きになるのに理由なんていらないのさ山岳よ。ねえ委員長ならわかるよね同じ恋する乙女として!」
「わ、私に振らないでよ!」

委員長の顔が真っ赤になる。山岳が好きな委員長の恋はもどかしい。押せ押せすればうまく行きそうなのに勿体無い。幼馴染って憧れるけど、色々と大変なこともあるみたいだ。

「あっ、せんぱーい!!」
「こらなまえ!自習とはいえ一応授業中なんだから静かにしてないと!」

グラウンドで体育をやっている先輩の姿を見つけて思いっきり手を振る。頭が痛いと言ったふうに額に手を当てた先輩だけど、それからわたしのほうを見て、小さく手を上げて応えてくれた。なにこれ幸せ。

「えへへへホント好き、えへへ」
「うわあ、酔ってるみたい」
「ある意味ね…」
「えへへ」



20140129
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