ノンストップらぶ!



私は忍術学園在学中のしがないくのたまの一人です。名前は・・・そうですね、そんな情報必要ないでしょう。

成績?
平々凡々デスよ。

忍たま?
私たちくのたまの玩具デスよ。まず男はバカだと思ってます。
けれど美男が多いあいつらですから、目の保養にはもってこいではありますね。


基本的にくのたまは、くのたま間で怪我の治療をします。だって、忍たまたちに頼るのは癪なんですもの。
けれど、重傷なら話は別。意地を張るべきところと、そうでないところの区別くらいつきます。私たちくのたまは賢いのですから。


ああ、前置きが長くなりました。
そんなくのたまである私が保健室に足を運んだのは本当に偶然です。たまたま、薬箱の包帯がなくなってしまったのです。
小さな怪我だったのですが、包帯が無いなら仕方ありません。
同室の友に薦められ、保健室へ行ったのです。



そこで、私は運命の出会いをしてしまいました。


「あれ?くのたまが此処来るのは珍しいね」

「はい。好きですどうぞ私を燃やしてください!」

「うーん、そういわれてもね。伊作くん、この子はどうすればいいんだい?」

「はい?って、四谷?四谷が此処に来るのも珍しいね」

「善法寺くんうるさい。あの、どうか貴方のお名前を教えていただけませんか?私は四谷憐と申します」

「雑渡昆奈門だよ」

「雑渡様・・・なんて素敵なお名前!」

「四谷?目がなんだかいつもの君じゃないよー?」


うるさい善法寺くんのことは放っておいて、私は先ほど伺ったお名前を何度か繰り返してみました。

雑渡様、雑渡昆奈門様。

なんてこと。

この方、志々雄様そっくり!


全身包帯だなんて、なんてことかしら。
これで志々雄様のような性格でいらしたら本当に素敵なのに、現実はそう上手くもいきませんのね。
けれどいいの。そのギャップもまた魅力です。


「どうぞ、私を娶ってください!」

「ええぇぇぇえ?!」

「困ったねぇ、私は職業柄嫁を娶るつもりはないのだけれど」

「秘密は漏らしません!敵に捕まるとなれば自ら命を絶ってそれを守り通します!」

「・・・だって。ねぇ伊作君。この子もらっても良いの?」

「だ、ダメですよ!だって学園の生徒ですよ?!」

「では今から私は退学届けを出してまいります。ですので、どうか!」

「もう四谷!!」

「そう。じゃあ、遠慮なく頂いて行こうか」


と、そう雑渡様が仰った直後に感じた浮遊感。
きょろきょろ辺りを見回す限り、どうやら私は雑渡様に抱き上げられたようでした。


「言っておくけど、私の嫁はハードだよ?」

「は、はい!堪えて見せます!」

「あまり帰ってこない時期が多いよ?」

「堪えます!」

「良い心がけだ」


不意にふわりと笑って、彼は私と共に保健室を出ました。

私はといいますと、彼の笑顔にヤラレてしまって、すっかり天にも昇るような気持ちで彼の腕に抱かれていました。


きっと彼が連れて行ってくれるのなら、どんな場所でも天の国でありましょう。



 

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