私は貴方を見つけてしまいました
今日は新入生の入学式で、今年2年へと進級する私たちはそれの準備やらなにやらで結構な数の人間が駆り出されていた。
ふむ、やっぱり1年生は可愛いな。
仙蔵もそれはそれは綺麗なのだけれど、伊作もとてもとてもかわいらしいのだけれど、こへも長次ももんじも留も、みんなして可愛いのだけれど、この一年でちょっとスレたというかなんというか、初々しい感じはなくなってしまっていたので、新入生は新しい風だ。
あ、なんかお面してる子がいる。
目立つなあの子。
それ以外になんか目を引く子は、と・・
「!」
ふと目に入ったその人は、もう二度と見ないだろうと腹を括っていた彼と瓜二つの姿をしていた。
黒髪に、長めの睫毛。
期待にキラキラと瞳を輝かせていながらも、どこか大人びた印象を持つ子供。
「・・・、へい、すけ・・・」
過ぎし日の兵助そっくりだ。
こんなにも良く似た姿をもつ人間がいるとは思わなかった。
決めた。
私今年からあの子を可愛がろう。
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