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イッシュに来て数日、ようやく目当てのポケモンを手に入れることができた私たちは、現在家を探して放浪中である。
「どういうこと?ホドモエに家があるって知ってたら、こっち来る前にまずホドモエのほう行ってたよ」
「知らなかったんだからタワー先行ったんだろ・・・まだ鳥ポケ捕まえてないしなぁ・・・」
「またネジ山?だめだめ、絶対死ぬ。今度こそ死ぬ」
「だよなー・・・あ」
「どうしたの・・って、あ」
兄が不意にあげた声に、彼の視線を追ってみるとそこには特徴的な髪型の女の子が。
髪型だけじゃなくて、その胸の大きさとかにも目がいくけれど、あまりぶしつけにじろじろみるもんじゃない。下に下がりそうな目線を相手の顔にキープしておく。
「・・あの、旅の人ですか?」
しかしあまりに顔を見つめすぎたらしく、向こうから気まずそうに話しかけられてしまった。
兄さんから後ろから小さく頭を叩かれた。
「あ、はい。ジョウトから来たんです」
「ジョウト!随分遠いところから来たんですねー」
「ええ。今からイッシュに用意した家に行くつもりなんですけど・・・」
「? 何かお困りなんですか?」
「飛行タイプのポケモンがいないんです」
「あぁ!空を飛ぶが使えないんですね!」
「そう、そうなんです」
私がジョウトから来たことを伝えると、それを継ぐ話は全て兄がやってくれた。なるだけ同情を引くように話を持っていっている様子を見て、ああ彼女に何とかしてもらうつもりだな、とすぐに分かった。
「空が飛べないなんて大変ですね・・あ!よかったら私のポケモンに乗っていきますか?」
「いいんですか?」
兄の今の顔に吹き出しをつけるなら、「よっしゃ来たー」である。いい顔してる。
「もちろん!困ったときはお互い様ですよ。私、フキヨセでジムリーダーしてるフウロです」
「俺はアイシテル。こっちは妹のイモトンです。ありがとう、よろしくおねがいします」
「よろしくおねがいしますっ!」
「よろしくね!」
あっしーゲットでちゅー?
・・・いやいや、そんな失礼なことは思ったりしてない、うん。
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