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なんだか怪しい噂を聞きながらもポケセンの、自分が借りている一室に帰ってきた私は、電子辞書を片手に現在ニックネーム考え中。

ていうかあの噂、ピンクの女の人がもしジョーイさんの一人だったらどうしよう。
もう怖くてポケセン利用できない。高くてもホテルとか泊まる。世界中のトレーナーを震撼の淵に追いやりそうなニュースだなおい。

想像してしまった天使の裏の顔にぶるりとふるえながら、目の前のヒノアラシに意識を戻す。
今大事なのはこの子の名前だ!しっかりしろ私!


「うーん…せっかくだからこの子っぽいのがいいよねぇ」

「ひの!」

「ヒノ…ヒノエさん…いやちがうこれはダメだ」

「ひの?」

「うーん、火…かなた、とか…火の鉈と書いて火鉈!…って、これも版権だよ私」


どうもオリジナリティに欠ける私である。
しかしヒノアラシの名前を決めるまで意地でもご飯は食べないと決めた手前、頑張るしかない。

辞書に指を滑らせる。
火…炎…オシャレな外国語は無いものか…


「炎…フレイム…ブラム…あ!これいいかも!ヒノアラシー!」

「ひの?」

「アレブ。君の名前、アレブってはどう?」

「ひの!ひのひの!」

良かった喜んでる!
…喜んでるよね、これ?ヒノアラシって正直糸目だから感情読みとるの難しいわ…まあ喜んでるってことで!

「じゃあ君の名前は今からアレブね!よろしく!アレブ!」

「ひーの!」

ヒノアラシ、もといアレブが勢いよく火を噴く。かわいいつらい。なで回しておいた。


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*アレブ…悩んだけどニックネームつけました。ヒノアラシかわいいよヒノアラシ。由来はAlev(炎)というトルコ語より。

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