15(裏
さらさらのピンクの髪を耳のあたりで二つ結び。ゴムの上からリボンを巻いて、今日もかわいい私の完成ね!
ジョーイさんよりも赤みの強いピンクは、私によく似合ってる。白いリボンもおしゃれでしょう。
自分で自分に頷きながら鏡の前でファッションチェック。
そしたら鏡越しにふとモンスターボールが目に入る。シルバーと一緒に盗んだポケモン。私の大好きなチコリータよ!
けれどシルバーとそのまま旅にでようと思っていたのに、他でもない本人にそれを拒否されてしまった。
ーー…
『うまくいったね!』
『…ああ』
『わたし、カノンっていうの!ねえねえ、このまま一緒に旅しない?』
『はあ?なに言ってんだ…』
『だって、私たち相性いいよ!一緒にいたら絶対たのしい!』
『お前…犯罪者だって自覚はあんのか?共犯が一緒にいたらすぐに捕まっちまうに決まってる』
『で、でもでも…!!』
『それに』
『?』
『弱いくせに誰かと連んで強くなった気になるヤツが、俺は一番嫌いだ』
『な…!』
『じゃあな。二度と近寄ってくんなよ』
『ねえ!待ってよ!ちょっと!』
…ーー
ツンデレにしてもひどすぎる!まあ最初からデレデレだとは思ってなかったけどぉ…
とにかく、そのままどっかに行っちゃったシルバーを追いかけることもできなくて、結局ひとりで旅することになった。
神様にお願いしたことはほんとに叶ってたみたいで、バトルは負けなし!まあ、ゲームでいっても序盤だし、当然か!たんぱん小僧なんかにこの私が負けるはず無いもの。
そんなこんなでキキョウシティに着いた私は、ポケモンセンターでここ二日間は休憩中。
だって、外はポケモン泥棒の話でいっぱいで、気を抜いたら捕まっちゃいそうなんだもん。
だから、食事とか必要最低限のこと以外では外にでないようにしてる。
しばらくはおとなしくしてるしかないよねぇ…はああ、憂鬱。ハヤトに一刻も早く会いに行きたいのに!まったく、つくづく思い通りに行かない世界だわ!
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