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ワカバタウンを出て一路西へ。
道路にでてみて思ったのはちょっとした段差とか全然ちょっとしてなかったってこと。ありゃあ確かに勇気いるな。


途中野生のポケモンをばっさばっさと切り捨てながらヒノアラシのレベル上げに励んだ。
ヒノアラシの努力値は振り済みなので、誰を何体倒そうがオールオッケー。ただただ経験値を積むのみである。


「あ、そろそろPPやばい?」

「ひのー…」

「よしよし、お疲れ!休憩にしよ」


くたびれて背中の炎すら出す気力がないらしい様子のヒノアラシを抱き上げて、私は手近な岩に座り込んだ。
短い体毛に覆われた小さな身体を膝の上に乗せて、バッグから出したおやつを渡す。

嬉しそうにかぶりつくヒノアラシの頭というか体というかなんというか、とにかく撫で回す。
育成方針がスパルタであるという自覚はあるが、すべて強くなってほしいという愛故なのでやめる気はない。ヒノアラシ自身、疲れてはいるが戦うこと自体を嫌っている訳ではなさそう、というのもあるし、しばらくはこの調子でレベル上げをしながら進んでいこうと思う。

ポケモンを強くするのに妥協はしたくない。それはゲームをしていた頃から変わらない私の思いだ。
ポケモンは私というトレーナーについてきてくれているのだから、そこに妥協するのはポケモンに対しても失礼だと思う。
バトルで勝つのは楽しいし、相手が強ければ強いほどやりがいもある。もっといえば、ゴールドカードに恥じない実力がほしい。
それに、例の女もきっとおんなじ世界に来ているのだろうし、会えたときにボロボロのぎったんぎったんに負かしてやりたい。吠え面かかしてやりたい。

まあそんな様々な思惑はあるものの、ともかく私とヒノアラシは元気にくさむらを駆け回ってレベルアップを目指そうと思います。

え?ほかのパーティーのポケモン?
その子等はほら、みんな100レベもしくは90オーバーなので、ここらの野生ポケモンじゃ、というかどんなポケモンであっても相手にならないし、ゲーム性崩壊するから、ね?


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