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「・・なに、ここ」
談話室に戻った私を待っていたのは、思い思いに仮装をした悪戯仕掛け人とリリーの姿。
4バカはともかく、リリーまでこんなことをすると思っていなかった私は、面食らってその場に立ち尽くしてしまった。
「あら、ユキ!もどってきたのね!」
「リリー、これ、なに。どんな状況?」
「パーティだと、色々と疲れるでしょう?だから、内輪で休憩もかねてお茶会してるのよ」
「そうなんだ。よくジェームズの存在を許したね?」
「仕方ないの」
そういってリリーが見遣る先には、大量の高級菓子。絶対にシリウス・ブラックの出資だろう。
「じゃ、女の子も増えたとこで」
「「トリックオアトリート!」」
「はい、飴ちゃん」
「アウチ!」「うわっ!」
すこし鼻につく様子のシリウスとジェームズにはポケットに入れていたのど飴を投げつけた。
持ち前の運動神経を駆使して上手くキャッチしたシリウスに対し、顔面キャッチを披露したジェームズ。リリーがとてもいい顔で笑う。
「じゃあぼくも。トリックオアトリート、ユキ」
「わ、リーマス。君にはこれあげるよ。かぼちゃプリン」
「わー、ありがとう」
「ピーターはクッキーでいい?」
「う、うん!ありがとう!」
「ユキ、私には?」
「リリーには後でケーキがあるよ!」
「もう、大好き!」
「私も!」
「あ、仮装すごくかわいいよリリー!魔女っ子!」
「ユキもとてもかわいい!猫娘なんて、ユキにぴったりよ!」
お互いにお互いの仮装を褒めあって、抱き合う。
その横でうらやましそうにこちらを見ているジェームズなぞ無視である。気安く女の子に抱きつけるのは、女の子の特権だ。
「それじゃあ、美味しいお菓子を頂きましょうか」
「そうだね!あ、シリウスありがとー」
「感謝の念が全然伝わってこないありがとうをどうも」
「では、」
Happy Helloween!!!
⇒アトガキ