わたしとあの子


ありきたりな始まりだけれど、私は平凡などこにでもいる女子中学生だ。


そんな私の最近の悩みは、今一番の仲良しである女の子と混ざってしまえば完ぺきになれるのに、といろんな人から言われること。そんなこと言われたって、と叫びたくなるのを我慢して、いつも曖昧に笑う。

あの子は美人だ。そして運動が得意。
そこに私の話術と、頭脳とを足せば確かに完ぺきだろう。これは自惚れではなく、事実だ。


平々凡々な自分の姿を鏡に映して、ちょっと泣きたくなった。
こんなんじゃ、土俵に立つ前から負けが決定しているようなものである。


あの子くらいの美人じゃないと、あの人の隣には立てない。

立海きっての色男、仁王雅治先輩の隣には。




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