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ゆめにっき解釈(ノット夢)
窓付きのエフェクトは、全部窓付きが好きだったものたち。
ゆめのなかに出てくるのは、窓付きにやさしかったものたち。
猫も、カエルも、マフラーも。
可愛くて、好きなもの。
セコムマサダ先生も、死体クンも、モノ江もモノ子も。
やさしかったものは、会わないうちにどんどん壊れていく気がして、どこかが壊れたひとたちになってしまった。
それが窓付きの“現在(ゆめ)”になった。
ネオンも、雪女も、かさも。
夜家を抜け出して遊んだのも、雪に埋もれたのも、雨の中歩いたのも。
全部窓付きの“過去(現実)”だった。
沢山の窓付きの感情を受けたものたちは、みんな意思や感情を持つようになった。
彼女のゆめは、彼女を現実に帰したくなくて、鳥人間はその最たる存在で。
だから、彼女達は窓付きをあの“絶対に出られない空間”に閉じ込めようとしていたんだと。
彼女がエフェクトを集めていくたびに、彼女は“未来(死)”に近づいていってしまうから、ゆめの住人皆で色んなところに隠して、かくして、それで、窓付きが諦めて、ずっとここにいてくれれば良いと思っていた。
それでも、窓付きは止まらない。
包丁は、ママが料理を作ってくれるから。
かまくらは、 ちゃんと一緒に作ったよね。
先生、ちがうの、刺したかったんじゃないの。
ああ、ああ。泣かないで、火星君。
魔女になりたいって、箒に跨ったことがあったよ。
夜のネオンは、私のあこがれだったの。
真っ暗な部屋は嫌いだって泣いていたのは、あの子だったから。
黒いまっすぐな髪が綺麗ねって言ったのは、ああ、ああ―――・・・
沢山の扉、ゆめへの扉がある部屋に、窓付きは好きなものを全部置いてきた。
それは所謂“未練”と呼ばれるものでして。
それがなければ、その先はもう彼女の歩みを阻むものはないのです。
一段、一段と台を登って。
うっすらと開いていくその瞳が映し出す空は。
「ああ、やっぱりゆめとはちがう」
窓付きの知っている空は、灰色なんかじゃなかった。
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