(@英雄2)





「俺が、目指してるのは」
「俺が、求めてるのは」

「『俺』の、目標、だよね?」



不安げに呟かれた声は、鬱蒼とした森の木々に吸い込まれて消えていく。
問い掛けを聞いていたのは、彼の抱きしめる傀儡ただひとり。

――なのだと、傀儡師は思っていたのだが。
「不安なの?」
帰ってきた言葉に、大袈裟と思えるほど驚いて振り返った。
「いっ、いつの間に…!?」
「ボクはいつだって森にいるよ」
「…ッ!」





もしかして、自分も誰かの傀儡なんじゃないかって


pRev | NeXT