アルレオバレンタイン前置き(@英雄2)
2111年2月。 バレンタインを前にプレゼントやら何やらで盛り上がる大陸の様子を眺めてネフィリムはアルケインに問うた。 「お前は、何かするのか?」 「僕ですか。そうですねえ…」 うーん、と、ネフィリムの問いに困ったように微笑んで首を傾げるアルケインを、ネフィリムは不思議そうに見やった。 「なんだ、そんな相手はいるのか」 「まあ、これを機に少しゆっくり話をしたい方は、いますかね」 「ほう」 目を細めてなるほどと頷くネフィリムに、でも向こうは話なんてしたくないかもしれないですけど、とアルケインは肩を竦めた。 その様子に暫し思案したネフィリムは、14日だったかと問う。 一瞬なんのことだかわからないといったふうにきょとりとネフィリムを数瞬見つめたアルケインだったが、ああそういうことかと気付いてそうですねと頷いた。 「暫くはフェルトがあの着ぐるみを追っているようだし」 「ええ」 「どこの兵どももバレンタインと着ぐるみに夢中だし」 「まあ」 「この状態が続くようなら、そうだな」 ネフィリムの言いたいことがいまいち掴めず曖昧に相槌を打つアルケインの前までつかつかと歩み寄ってきたネフィリムは、呆けた表情でネフィリムの動きを視線で追うアルケインの鼻先を人差し指でちょいと小突いた。 「休みを、やってもいい」 「それは、つまり」 敵将である『彼』に会いに行って良いということだろうか。 突如言い渡された休暇に、アルケインは仮面の奥の瞳を輝かせてその真偽を問う。 ネフィリムはというと、腕を組んでふんと鼻を鳴らして好きにしろと言い残すと、部屋をあとにしようとアルケインの横を通り抜ける。 「ありがとうございます!陛下!」 背中を向け会うようになったネフィリムを振り返り、アルケインは笑みを浮かべ、嬉々として礼を告げる。 それにぴたりと足を止めたネフィリムは、ちらと首だけで振り返り肩越しにアルケインを見据えた。 「その代わり、今日、晩酌に付き合え」 「はいっ、お安い御用です!」
理解のある上司ぶりたいねふりむ
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