不死者と魔女(@英雄!)
※ちょっと2ネタバレ
――無印よりちょっと進んだ時代
「僕は決してね、貴女のような悪趣味な方は好みではないんですけど」 「それは同感だな。俺も貴様のような悪趣味な奴は好みじゃない」 「そうは言いますけどねぇ」 自分から言い出したとはいえ、返ってきたフェルトの言葉に、アルケインは小さく溜め息をつく。 フェルトの表情は先程と微塵も変化は無いが、機嫌が少々悪くなったことは、オーラが伝えていた。 けれどそちらは気にせず、アルケインは肩を竦めて非難するよいに言った。 「こんなに長く同じ時代を生きてるのは貴女だけなんですよ」 「まあ、そうだな。不本意ながら」 「ばっさり言ってくれますね」 アルケインの言葉に答えるフェルトの声は至って冷たい。 僕だって泣いちゃいますよ、とアルケインがおどけると、フェルトはばかばかしいと吐き捨てただけだった。 「もう、だからですね。せめてワインでも飲みながら愚痴くらい聞いてくれたっていいでしょう?」 「この(子供の)体じゃ無理な相談だな」 諦めろ、とフェルトが嘲るように笑うと、だから僕はさっさとまた転生すればいいのにと言ってるじゃないですか!なんて憤慨する。 とは言っても、見た目には少々ふてくされたくらいのものだが。 「まあ、期待しないで待っていろ」 「期待させてくださいよ!」 ひらりとローブを翻して踵を返した背中に、まったくひどい人だとぶつぶつと文句をぶつけながら、アルケインもその場をあとにした。
――2の始まるよりちょっと前の時代
「なんだ、少しばかり身なりが変わったじゃないか。何かあったか」 不意に、背後からかけられた声にアルケインが振り返ると、可愛らしい少女が立っていた。 見覚えがあるようなないような、その少女は誰だったかとアルケインが首を傾げると、その心中を察してか少女は、俺だ。と一言告げた。 「えっ、もしかしてフェルトさん!?」 アルケインが言い当てると、少女――フェルトは頷いた。 それを見て、色々と納得したらしいアルケインは、もぉっ!と声を荒げた。 「またそんな子供の体で!そんなに僕と飲むのが嫌ですか!」 「期待するなと言っただろ」 「ひどい!」
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