このシリーズがケータイのメモに何本もあるんですが如何せん全部書きかけで…。今回はとりあえず即興過ぎ去りしクリスマス。前提として・デッドチェイスカゲミツグッド〜ビターエンドくらいでビター寄り・トキオ→オミ→カゲミツ×タマキ・どこに住まおうかなと思っていたオミをトキオが引き取って同居・今ではトキオさんにすっかり絆されちゃってるオミたんです。ご理解いただける方のみどうぞ12月26日。うちの前まで帰り着いたときには、もう丑の刻を回っていて。下から見上げた自室の明かりは点いていなくて、同居人はもう寝ているのだろうと思い、ここまで送ってくれたカゲミツに礼を言いながらポケットの中の鍵を確かめた。「部屋に着く前に寝んなよ」「カゲミツこそ、帰るのに事故らないでよね」「だったら送らせんな、ばーか」ここ2、3日、ほとんど寝る時間もなく仕事に没頭していたためか、皮肉りながらも心配してくれているカゲミツに、皮肉で返す。それにふてくされるカゲミツに、あははと軽く笑ってやりながら、マンション前の自販機で缶コーヒーを買って渡してやれば、カゲミツも小さく笑って帰路についた。去っていくワゴンを見送りながら、もう一度マンションを見上げる。「はあ…」吐き出した息が白くて、余計に寒さを感じた。「クリスマス、終わっちゃったな」だから、何というわけでもないのだが。寧ろ、この数日、仕事とはいえカゲミツをタマキから引き離して、ヒカルもいたから独占、とは言い難いが、ともあれ、カゲミツと過ごせたのだ。しかも、自分も疲れているはずなのに、ヒカルをキヨタカの家まで送るついでだなんて言い訳して、ついでと言うには遠い距離を送ってくれて。カゲミツには申し訳ないが、俺としては、もちろん態度には出せないが嬉しくて仕方なかった。なんていうのも、後から思えばであって、さっきの車内でカゲミツが「あーあ、クリスマス終わっちまったなあ」なんてぼやかなかったら俺自身、クリスマスなんてものが世間を賑わせていたことなど忘れていたわけで。更に言えば、25日はできるだけ早く帰ってきて来てくれたら嬉しいななんて言っていた同居人のこともすっかり忘れていて。「だからって、別に」何というわけじゃ、ない。自分に言い聞かせるように呟く。エレベーターが止まって、扉が開いた。ぼうっと壁に寄りかかってそれを眺めていた俺は、ランプが部屋のある階を示しているのに気付いて、慌てて降りる。まったく何やってるんだかとくしゃりと前髪を握って、部屋の扉にもたれかかった。きっと、寝不足のせいだ。早く寝なきゃと鍵穴に鍵を差し込む。