ロクレキ(@ゼクト)
ファロが普通に反国軍にいます。 ロークは勝手にファロをライバル視しているようです。 レキシが愛しいです。
コンコン。 ロークが控えめに扉をノックする。 返事はない、部屋の主は眠っているのだろうか。 静かに扉を開けて、室内に踏み込む。 「レキシ…?」 ベッドサイドのローチェストに置かれたランプのオレンジの光だけが照らす、薄暗い室内。 中を覗き込むようにしていたロークは、ベッドで毛布にくるまっているレキシを目に留め、小さく息をついた。 決して悪いことをしているわけではないのだが、どことなく緊張してしまっていたのが、ようやく解ける。 「眠っているのか?」 「ん…」 ローチェストに持ってきた盆を起きながら呟くと、レキシがもぞりと動く。 「……ロー、ク?」 ロークに背を向けて丸くなっていたレキシがごろりと向きを変えると、ロークは思わず数歩下がった。 「あっ、わり、起こしたか」 「いや…、寝付けなくて」 慌てたように、意味もなく手を動かすロークを見て、何をしているんだとレキシは眉を顰める。 「え、えっと」 「もういい」 「えぇっ、そりゃないぜレキシ」 「うるさい、バカローク」 なんだよもう、と、ロークは食ってかかる。 が、レキシが体調を崩して早くに休んでいたのだと思い出して、唐突に口を噤む。 「ローク?」 「あ、そうだ、薬。持ってきたんだ」 どことなくぎこちない動きをするロークに、レキシが首を傾げる。 ロークは思い出したように、チェストに乗せた盆を示した。 「薬…、別に、そんなに悪くは…」 「ていうか、ファロが持って行けって」 「ああ…、心配症だなあ、あの人も」 ロークの言葉にレキシはくすりと笑う。 しかしロークは、レキシがファロの話題で頬を緩めたのが気に食わないとばかりに唇を尖らせた。 それを見留めたレキシは、おかしそうに目を細めてまた笑う。 「…なんだよ」 レキシのそれが、また気に食わなくてロークがジト目で睨むと、レキシは毛布からそろりと手を出して、ロークの手を掴む。 そのまま、ぐっと引き寄せるように引っ張った。 突然のことに驚いて、反応の出来なかったロークはただバランスを崩して、ベッドに、レキシの上に、倒れ込んだ。 「なっ、なっ」 「バカが勝手に妬いてるのわかってたからさ、ファロも」 「はぁ?」 倒れ込んできたロークを抱き留めて、レキシは微笑んで言う。 レキシの言う意味がわからず、ロークは首を傾げた。 「薬なんて、必要ないんだよ」 「え…」 「ま、あればあったでいいんだろうけどさ」 布越しに伝わるレキシの熱い体温に、ロークはレキシが思っていたよりも熱があることを知る。 それなのに、薬がいらないとはどういうことか。 「お前が、僕のこと気になって仕方ないのと、それと…」 レキシが一度、そこで言葉を切る。 熱のせいでも、ましてやオレンジ電球による目の錯覚でもなく、レキシの頬が赤らんだのを、ロークは見た気がした。 「それと、」
(中略)
「たまには僕からキスしてあげたいって思うけどさ、タイミングが悪かったね」 「え、なんだよ、いいじゃん、してくれよ」 「だめだよ、風邪うつしたら大変だ」
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