(英雄0)





忘れることは、覚えることより、難しい。

はあ、と息をついた人形使いは、背後に現れた人の気配に、ひどく怠そうに振り返った。
「アンタは、どうしてこんなときに」
「そう言われましてもねぇ」
貴方の事情なんて知りませんし、把握してたらしてたで気色悪がるでしょう。
闇の中でそう答える人物に、人形使いは、そりゃあそうだ。と頷く。
「ですから、そんな言い草しないでください」
「へいへい。で?」


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