学パロ(@英雄!)
聖騎士ルスラン学院 音楽系と武道系に秀でた学校。 生徒会長アキレス。三年 副会長レオニール。二年 図書委員長ライブラ。二年
ライニル
「なあ、ライブラ」 「うん?」 テスト前、生徒会の活動もほぼ休止と呼べるほど縮小される一週間。 テスト期間やテスト休みを含めれば三週間ほど。 普段の放課後は生徒会にかかりきりのレオニールも、この期間だけはライブラの隣で過ごす。 ライブラ。幼なじみ、無二の親友、一番の理解者、そして――恋人。 常では心酔する生徒会長――アキレスがいるから生徒会に入ったようなものである――、アキレスのことを最優先に考えそればかりを口にするレオニールであるが、この期間は全く違う。 恋人最優先である。 そんな、テスト6日前。 勤勉なレオニールは、勉強の時間をより多くとるためにと真っ直ぐ帰路を歩く途中、隣を連れ立って歩くライブラに、ぽつり、俯いたまま小さく声をかけた。 常ならば真っ直ぐ相手を見てはっきり喋るレオニールだ。 その行動は珍しいとライブラは、レオニールの顔を覗きこむように僅かに身を屈めて返事をした。 「その…、だな。あの…」 彼がこれだけ言いづらそうにしているということは、慣れない色恋沙汰か何かだろうかと勝手に考え至って、ライブラは身を起こす。 レオニールのことだからもちろん丁寧に相手をなるべく傷つけないようにと気を配りながら断ったのだろうが、その相手に何か問題があってそれに困っているのかもしれない。 けれどレオニールの身辺のことなら大概は把握しているライブラに、思い当たる人物はいなかった。 それならば、唯一詳しくない生徒会内部でのことか。 口ごもるレオニールを急かすでもなく、ライブラはそう、勝手に考えを巡らせていた。 その間に、レオニールはようやく決心したように深呼吸をすると、足を止めてライブラを見つめた。 それにあわせてライブラも立ち止まる。 「俺、会長に…、その、告白、された……」 語尾は段々と萎んでいき、上げた視線も、足元へと落ちていった。 だから、ライブラの目が、眼鏡の奥でスッと細められたことを、レオニールは知らない。 「それで?」 ライブラは冷たく硬くなる声音を隠そうともせず、レオニールに問うた。 予想の数段上の言葉に動揺するよりも、会長、という単語に、ひどい苛立ちを覚える。 「会長の言葉は、俺にとって絶対だし、なにより、会長の気持ちを無下にはしたくない」 「ほう?」 彼は、やはり結局、あの会長を選ぶのだろうか。 そりゃあそうだ、あの人と自分とではもってるモノが違う。 それでも、彼の一番は自分だと思っていたのに。 ライブラは、卑屈に笑ってレオニールから視線を外した。 「よかったじゃないか。ずっとだいすきだったものなあ、きみは。アキレス会長のこと」 冷たく、それだけ言い残して、ライブラは先に歩き出す。 醜い嫉妬だ。 これ以上此処にいたくない。 きっと、このあとレオニールから出てくるのは別れ話だ。 だからあれだけ言いづらそうにしていたんだ。 ほら、それなら、あの行動も不思議でもなんでもない。 そう考えるライブラの足は、自然と速くなる。 だから、背後からの衝突には耐えられず、よろめいた。 しかし、衝突するように抱きついてきたレオニールの腕に支えられ、転んだりすることはなかった。 「レオ…?」 「待って、くれよ…。まだ…っ、最後まで、言ってない」 ライブラの背中に顔を埋めて喋るレオニールの声は、僅かだが震えていた。「たしかに、きみの言うとおり俺は、会長のことがだいすきだし、それはずっと昔からだし今だってそれは変わらない」 くぐもった細い声を、聞き逃さないように耳を傾けていたライブラだったが、やはり聞くんじゃなかったと顔を歪めた。 けれどこの場から逃げ出そうにも、きつく抱きしめるレオニールの手がそれを許さない。 レオニールは顔を上げないまま続ける。 「だけどそれは、あくまで尊敬であって、きみに抱(いだ)いているものとは違う」 その言葉に、ライブラは首だけでレオニールを振り返った。 レオニールは顔を上げて、涙の滲んだ瞳でライブラを見つめていた。 「俺が愛しているのは、きみだけだ。ライブラ」
だからどうしたらあの人を失望させずに断ることができるか悩んでたんだよ
私立高校ってテストのあとに休みがあると聞きました。羨ましいギリィ。 ジャックは公立だったのでテスト休みなんてものとは無縁でしたよ!ケッ(…
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