短篇 | ナノ



April Fool's Day 2010



「私土方さんとこにお嫁に行きます」

「……は?」

突然過ぎる申し出、というか宣言に思わず間抜けな声が出た。
そんな俺にお構い無く杞都はニコニコと笑う。

「だから、私土方さんとこに…」

「待て、待て待て待て。杞都おま…え、ちょ何?俺何かした?」

動揺しまくる俺を見て杞都は可笑しそうに笑いながら左右に首を振った。

「いえ何も。銀さんは悪くありません」

「…じゃあ何で?」

何で笑ってんだよお前、こっちはもうなんか色々と泣きそうだよコノヤロー。

「素直なことは良いことです」

「……は?」

またもや突然過ぎる発言にさっきと全く同じ様に間抜けな声が出た。

「私愛されてますねー幸せ者だなぁ」

「あのー、杞都ちゃーん、銀さん話についていけてないよー。置いてけぼりくらってるよー。銀さん寂しいって言ってるよー」

本当に幸せそうに話す杞都は可愛かったが、何を言っているのかさっぱり分からない。

つか、さっきの嫁に行く発言はどうした。

「私、そんな銀さんが大好きです」

「うん有難うな俺も大好きですそして話を聞け」

どうしたんだこの子は、何か変なもん食ったのかそうなのか。
だってこんな電波な子じゃなかった筈だもの。もっと普通な子だったものォォオ!!!

最早動揺通り越して心中大騒動を起こしている銀時を見て、杞都はにっこり笑って言った。

「銀さん、今日は何日でしょう?」

「今日?…今日は4月1日、ってお前まさか…!」

銀時が目を見開くと同時に杞都はパッと席を立ち万事屋から駆け出した。

「あ、テメー杞都、待ちやがれコラァァア!!!」

「あははははははは!!」

ケトケト笑いながら走る杞都を急いで追い掛ける。

「っのヤロー…!」

こっちは必死だったってのに…


それでも、
嘘でよかったと思うのも本当ってのァ、相当重症だと思いました。
アレ、作文?










(待てって言ってるでしょうがァァア!!!)
(待たないって言ってるでしょうがぁぁあ!!)






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