「やァァァァァァァァァまァァァァァァァァァざァァァァァァァァァきィィィィィィィィィさァァァァァァァァァァァァァァァァァァん!!!!!!!!」

「なまえちゃん?!夜!夜!!」

時間なんて気にしてられるか。勢いよくスッパーンと山崎's roomの襖を開けて、布団から飛び起きた彼に詰め寄る。あれから今日のお仕事を終えた私は前山さんを屯所の玄関まで送って(息子さんが迎えに来てた)、そのまま近藤's roomへ直行して叩き起こして問い詰めたところ。

「『だって、言ったらなまえちゃん来てくれなくなるかなぁー…って…。あはは…。』だってさ!!ふざけんなよひとりだって知ってたら絶対来なかったよぉ!!私これでも受験生なのに!!」

「まぁ…、言わなかった局長も悪いけどさ、それだけ人捜すのに必死だったんだよ…」

でもでもだって、と布団の横で文句をぶぅ垂れ続ける私に、うんうん、と頷きながら聞いてくれる山崎さん。まじ優男。きっと明日も朝からお仕事なんだろうなー、って心配が一瞬頭をかすめたけど、それでも嫌な顔せずに聞いてくれるから、つい甘えて愚痴をぶつけてしまう。

「前山さんも歳だし、息子さん夫婦に一緒に暮らさないかって前々から言われてたらしいんだけどね、一応誰か来るまでひとりで女中さんしてくれてたんだよ。」

「さっき聞きました。私がひとりでやってこれたんだから、なまえちゃんはもっと若いんだから大丈夫よって。そんなこと言われても…。」

知らない場所にいきなり放り込まれて、慣れない仕事をひとりで任されて。不安だよね。

そう眉を下げてぽんぽん、と頭を優しく撫でてくれるから、ちょっと涙腺が緩んでくる。

「だってこの間まで私、普通の浪人生だったんですよ。昼間は勉強して、夜は妙ちゃんとこでバイトして。なのに、急にいろいろ変わっちゃって。あーもう吐きそう」

「え?吐くの?やめてここ俺の部屋!俺の布団!」

「それぐらい切羽詰ってるって例えですよ」

ホント、吐くのだけはやめてね、と頭に手を乗せたままちょっと考えたような顔をした山崎さんは、あ、そうだ、と何かひらめいたようで。

「なまえちゃんさァ…、明日の朝の会議で言ってみるみるのはどう?」

「?」

そう言って彼は、私に知恵をくださりました。

A STRATEGY MEETING AT NIGHT
(夜の作戦会議)

「じゃあ明日一番に副長室行っておいで」
「え、やだひとりこわい」
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