ここ、真選組に心休まる瞬間など無い事を、来て二日目にして私は思い知った。

まず、お前の雇用形態だが、受験生だしとりあえずアルバイトでいいか?それから、一日の勤務時間だが、と土方さんが話を進めながら、さらさらと文字を連ねていく。それを後ろから覗き込んで、今時手書きなんだ、と驚きつつも、読みやすくて綺麗な字だなー、と感心していた、その時。

「死ね、土方ァァア!!」
「?!」

不穏な言葉が聞こえた次の瞬間、爆発音とともに地面が揺れた。え、ちょ、何これ。敵襲?敵襲なの?私死ぬの?まだ若いのに!

ひとりパニックを起こしていると、瞬間に視界が暗くなった。ああ、これでENDかぁ。私の人生短かったなぁ。やりたかったこともやり遂げられず終いでなんとお粗末な。めちゃくちゃ煙たいし。むせそう。ってかむせr……ゴホゴホッ!

……て、あれ。むせれた。生きてる?

いつの間にか瞑っていた目を恐る恐る開くと、っ〜〜と眉間に皺を寄せる土方さんの顔がありました。えらく整ってんなオイ。じゃなくて。

フリーズした脳みそを無理矢理再起動させてフル稼働で状況を把握してみる。周りには白い煙がもくもくと充満してて、背中には畳の感触。目の前、というか覆いかぶさるように土方さん。ご丁寧に頭をぶつけないように手を添えてくださってました。え。

「!!?????」

ナニコノ状況!チョット モウ一回 フリーズ シトコウカナ!

そんな私には気にも留めず、土方さんは私をそのまま優しく起こしつつ、煙の奥にいる人物に向って大声をあげた。

「おい総悟!!危ねェだろうが!!」
「あり、生きてやしたか」
「てんめェ…!なまえもいたんだよ!!」

ん?総悟……て沖田総悟?!

「お前かァァァァアアアア!」
「おはようございますいかがお過ごしですか」
「お陰さまで人生終わるところでした!」

煙の中から、片手にバズーカ、もう片手はポケットに突っ込んで登場した彼。犯人はお前だな。まじふざけんな。

「にしても土方さん、俺ァ失望しましたぜ。まさかアンタが昨日入ってきたばっかの女中を早速ぱくっと」
「いってねぇよ!あらぬ疑いをかけんじゃねェ!」
「真選組鬼の副長ともあろうお方がなんて失態を」
「犯してないからね、失態犯してないから」
「こりゃァもう局中法度のもと士道不覚悟で切腹モンでさァ」
「だから違うって言ってるでしょうがァ!」
「安心しなせェ。新副長は俺が立派に務めまさァ」
「ねぇ人の話聞いてる?!」

そんなこと言ったってねェ、と含み笑いをした沖田総悟は、徐にポケットから携帯を取り出して、カシャリ、と私たちにカメラを向けた。

「そんな抱き合った状態で言われたって説得力の欠片もありませんぜ。」

途端に改めて状況を理解する。さっき一瞬沖田総悟への怒りで忘れてたけど今私土方さんとものすごい密着度!OH!!

一方土方さんは、あ、悪ィな、と涼しい顔でそっと離してくれました。これが大人の余裕ってヤツか。

「改めて言いますが土方さんとは断じてそのような行為を行ってはいません。」
「なんでィつまんねーな」
「おもしろさを求めないでくださいっていうかなんで屯所内でバズーカ吹っ飛ばすの?!馬鹿なの?!」
「安心しなせェ。通常運転でさァ。」
「はぁ?!」

自分の上司を職場(権住居)もろともぶっ飛ばすのが通常運転?何言ってんのこの人!と思って土方さんに目を向ければ、頭を抱えて、コイツはいつもこうなんだよ、と盛大な溜息を吐かれていました。

A NORMAL THING AT MORNING
(いつも通りの朝)

「そういうことで。さっきの写メ回しときやす。」
「「まじふざけんな。」」
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