もし、あのときこの道を選ばなかったら。

天人が蔓延るこのご時世だからこそ、国を護るため、地球人の尊厳を護るため、あらゆる星の知識を身に付けるべきだと背中を押してくれた "あの人" がいなかったら。

その道を究めるために、たまには路草を食って行くことも大事だと笑った "あの人" がいなかったら。

いつか大きな選択を迫られたときに、その為に犠牲を払うことを、勇気でも覚悟でもない、諦めだと気付かせてくれた "あの人" がいなかったら。

私は今、きっとこの場所に立つことはなかった。


───辛くなったらいつでも帰っておいで。俺達ァいつでも、喜んで受け入れるよ。ただいまって言って帰ってくりゃいい。おかえりって両手広げて迎えてやるし、いつだって、いってらっしゃいと見送る準備もできてるよ。

そう豪快に泣きっ面を見せた "あの人" に、"あの人たち" に今、ただいまって言いに行こう。



161011
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