「平和だねぇ〜」
「そうですねィ〜」

ずずっ、とお茶を啜る音がふたつ。爽やかな秋空を仰ぎながら、私と沖田総悟は並んで縁側に腰かけていた。

「お前ら…仕事しろォ!」

鬼の副長の部屋の前で。

「なーにカリカリしてんでさァ。たまにゃ肩の力を抜くのだって大事ですぜ」
「そうですよ。ほら、土方さんの分のお茶も淹れますから。」
「お前は年がら年中抜きっぱなしだろうが。そんでお前もこんな昼間からのんびりしやがって。勉強はいいのか。」
「あと一時間もしたらこの間の模試の結果がわかるんですよ〜。それまで休憩です」

沖田総悟との間に置いたお盆の上から、お茶菓子を一口。うん、餡子の甘さが上品だ。さすが銀さんが教えてくれた老舗のお饅頭。はずれなし。

「はァ…。なんつぅか、お前らがほのぼのしてるの見てたらこっちまで脱力するわ…。」
「お、聞いたかい沖田総悟。殺るなら今がチャンスっぽいよ。」
「ふざけんな。お前雇い主が俺だってこと忘れてんじゃねェだろうな」
「パワハラはいけませんぜ」
「違ェよ!!」

わいわい、と賑やかになる縁側。そこにゴリラとあんぱんが来るのは時間の問題。
そんな、平和な昼下がり。



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