「……」
「……」
「……こんな時間になんですか。」
「いや、今日が…」「今日が?今日?」
「……もう昨日になるか。」
「何?何が昨日あったって?」
「その、一周年の記念日が、」
「何の?」
「俺とお前の、付き合って一周年の……。」
「……。」
「……」
「……」
「……覚えてたんだ。」
「……。」
「……その、なんだ。仕事、すぐに終わらせてくるつもりだったが。」
「……」
「……ふたりで過ごせなくて、悪かった。」
「……。」
「……」
「……」
「……え?」
「あァ?」
「それだけ?」
「……は?」
「言いたいことは、それだけ?」
「……お前の誕生日は、ちゃんと帰ってくるつもりだ。」
「いい心がけだね。……で?」
「あァ?」
「他は?他はなんかないの?」
「……。」
「……」
「……」
「……呆れた。」
「はァ?」
「呆れたっつってんの。」
「ちゃんと謝ったろうが。」
「謝罪だけで満足すると思ってのんかニコ中コノヤロー」
「お前なァ……!」
「こちとらアンタに惚れたときから普通の恋愛なんか出来やしないってわかってんだよ」
「……。」
「いつでも会える訳じゃないって、デートもまともに出来ないだろうって、重々承知よ。」
「……おい、」
「立場上アンタがいつ死んでもおかしくないって、私の存在が知られて敵に襲われるかもしれないなんて、覚悟の上なんだよ。」
「……お前酔ってるだろ、」
「普通じゃない恋愛してるんだ。アンタの傍に居れるんなら、それぐらい全部受け止めるっつの。お互い五体満足でたまにこうして顔合わせれりゃ万々歳よ。」
「……おい酔っ払い、」
「だからこそ!」
「……?」
「だからこそ、欲しい言葉ってのがあるじゃない。」
「……」
「いつどうなったっておかしくないんだもの。特別な日くらい、これくらいのわがままなんてかわいいものでしょ。」
「……」
「……悪かったな、」
「……」
「……なまえ、愛してる。」
あいらぶゆーって言えよ
その割に実際言われると照れるっていう
( 可愛くねぇな )
( うるせぇ土方コノヤロー )