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予告篇…?
ねぇねぇ、ハロウィン伯爵のお話って知ってる?
平日の昼下がり、昼休みに突入した私は、常連さんの坂田さんと、同僚の由利ちゃんと、3人でおしゃべりをしながら、店先で団子を頬張っているときだった。
「え?なにハロハロハックション?」
「どんな聞き間違いよ天パ、ハロウィン伯爵!今超絶HOTな話題なのにぃ!」
「おじさん若い子のお話についていけねぇや」
ぱくり、と団子をひとつ串から口の中へ。もっちゃもっちゃと咀嚼しながら、あー、言ったらハロハロ食いたくなってきた、と坂田さんは言った。残念ながらうちの店は団子メインの甘味処。そんな洒落たものは置いていない。
ずず、とお茶を飲む。皿の上をみると、残りはあと一本だった。どうしようか躊躇っていると、ラストもーらい、と坂田さんが頬張ってしまった。
「ちょっと銀さん、食べ過ぎですよぉ!私たちあんまり食べれてない!」
「いいの、由利ちゃん。私お腹いっぱいだし」
「むぅ」
「(ごくん)……そんで、そのハンガー歯クソが何よ」
「だからハロウィン伯爵!」
あのですね、と真剣な表情になるから、私たちも思わず背筋を伸ばした。
「びっくり箱が幕府に送られたんですよぉ。そのなかにはメッセージカードが入ってて、『異形の姿に身を包む祭りの夜、それが本物になるだろう。ハロウィン伯爵』って内容で。」
「何その中2全開な文章。さっぶぅ〜」
「銀さん!続きがあるの!……そのびっくり箱、開けた瞬間に紙吹雪と一緒にピンク色のもくもくが出てきたらしいんだけどね、」
そのもくもくを吸っちゃった人たち、みーんな天人みたいな見た目になっちゃったみたいなの。
あまりにも真顔でそう語るものだから、そのときは私も坂田さんも思わず吹き出してしまって、由利ちゃんに怒られたものだけど。
まさか、ハロウィンの夜に、本当になるなんて。
イベント:Halloween 2016 予告篇……?
平日の昼下がり、昼休みに突入した私は、常連さんの坂田さんと、同僚の由利ちゃんと、3人でおしゃべりをしながら、店先で団子を頬張っているときだった。
「え?なにハロハロハックション?」
「どんな聞き間違いよ天パ、ハロウィン伯爵!今超絶HOTな話題なのにぃ!」
「おじさん若い子のお話についていけねぇや」
ぱくり、と団子をひとつ串から口の中へ。もっちゃもっちゃと咀嚼しながら、あー、言ったらハロハロ食いたくなってきた、と坂田さんは言った。残念ながらうちの店は団子メインの甘味処。そんな洒落たものは置いていない。
ずず、とお茶を飲む。皿の上をみると、残りはあと一本だった。どうしようか躊躇っていると、ラストもーらい、と坂田さんが頬張ってしまった。
「ちょっと銀さん、食べ過ぎですよぉ!私たちあんまり食べれてない!」
「いいの、由利ちゃん。私お腹いっぱいだし」
「むぅ」
「(ごくん)……そんで、そのハンガー歯クソが何よ」
「だからハロウィン伯爵!」
あのですね、と真剣な表情になるから、私たちも思わず背筋を伸ばした。
「びっくり箱が幕府に送られたんですよぉ。そのなかにはメッセージカードが入ってて、『異形の姿に身を包む祭りの夜、それが本物になるだろう。ハロウィン伯爵』って内容で。」
「何その中2全開な文章。さっぶぅ〜」
「銀さん!続きがあるの!……そのびっくり箱、開けた瞬間に紙吹雪と一緒にピンク色のもくもくが出てきたらしいんだけどね、」
そのもくもくを吸っちゃった人たち、みーんな天人みたいな見た目になっちゃったみたいなの。
あまりにも真顔でそう語るものだから、そのときは私も坂田さんも思わず吹き出してしまって、由利ちゃんに怒られたものだけど。
まさか、ハロウィンの夜に、本当になるなんて。
イベント:Halloween 2016 予告篇……?