渇いた喉に血の潤い
 

ジョナサンはまるで、乾燥によって喉を潰された様な渇きを覚える。

「ディオ、水」

出されたグラスを一気にあおる。しかし渇きは収まらない。いっそ苦しい喉を掻ききって、この深紅の血を噴き出そうか、とまで考える。

「血を飲め、ジョジョ。お前はそれで救われる」

ディオはまるで、仲良しの姉妹がお喋りをする様にベットの横に腰掛ける。そして、すっ、とグラスがつき出されるが無視を決め込む。

「……何で僕を生き返らせたのかい」

ディオと似ている、漆黒の服をしげしげと眺め、ジョナサンは言う。

「僕は生き返りたくなかった。エリナを天国で待ちたかった」

その言葉につと、ディオは怪訝に思う。

「このピアスも、君が僕に着けた所有の印。ふざけてるよ。ディオ、僕は君の物になんかになると思う?答えはノーだよ」

聞いていれば、段々腹が立ってきた。誰のお陰でこうして生きているのかまるで、分かってないようだ。馬鹿らしい。あの女を天国で待ちたいだの、自意識過剰も甚だしい。自分がこう思っているのもそうだが。

「…じゃあね、ディオ」

足枷を掴んだと思ったら、いとも簡単に粉砕した。足枷、鎖、鉄球とがジョナサンに噛みついていたままに、ベットの上に置かれている。

ジョナサンは血を飲んでいないのにも関わらず、しっかりとした足取りで閉鎖的な部屋から出ていこうとする。そんなの、このディオが許さない。自分が頂点に君臨し、共に生き、共に死にたいのだ。その為にはどんな汚い手段も構わない。

右手をすっ、と挙げる。とたんにピアスが紅く艶かしく、光る。瞬間、ジョナサンは床に倒れ伏す。強張る腕でピアスを引っ掻く様に取ろうとする。

「な、にを、した…っ!?」
「まだまだ試作品だが、肉の芽のピアスだ。試させてもらった」

指をパチンと鳴らせばジョナサンは、ディオの元へと歩いていく。ニヤニヤ笑いをしているディオにジョナサンは、唇を啄む。

「い、やぁっ…!」

自分がキスをしておいて、嫌とはなん滑稽なのだろう。笑いさえディオに込み上がる。

ジョナサンがちゃんと命令を聞くと分かったので押し退け、そして自らの歯で指を傷付ける。

「……のみっ、たく、無いっ!」

しかし美味しそうと心が叫び、遂に血を舐めてしまう。あぁ、なんと甘美な事か!紅一色に、視界が塗りつぶされる。

「美味しい、美味しいよ」
「よく飲むな……」

目が紅くなるジョナサンに、ディオは嬉しさの余り、背中にぞくりと電流が流れる。

此処から、此処からなのだ。ジョナサンを懐柔するのには。

まだ遠い未来を思い描き、ディオはジョナサンのピアスを撫でるのであった。




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折角、素敵設定をお借りしたのに、この意味不明な文になりました…(号泣)

 


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