sugar・water
 

そっと、ジョナサンの髪に触れる。くりくりした手触りに暫しの間楽しむ。朝焼けにジョナサンの蒼は透き通る様に綺麗だ。もしかしたら、痛みも無い髪はシルクかもしれない。

「…んぅ…ディ、オ?」

気だるげなジョナサンの声にディオは手を離す。

「……起こしてしまったか」

まだまだ寝惚けてるジョナサンに乱れた毛布をかける。そうするとジョナサンはまた静かな寝息をたてて眠った。

其処らに落ちている服やら下着やらを着る。昨晩の情事のお陰で、ジョナサンは辛いだろうから自分が遅い遅い朝食を作るのだ。今ではそれが習慣になっている。

手早く卵を割り、目玉焼きにする。少し焼けたら水を入れ、蒸し焼きにすると、焦げも無くディオの理想になる。

そうして出来た完璧な朝食をトレーに乗せて、ジョナサンの元へと運ぶ。

案の定ジョナサンはまだ起きていなかった。脇のサイドボードにトレーを置いてから、ジョナサンを揺り動かす。

「おい、起きろジョジョ」

―――――全くこいつは、眠りが深すぎるようだ。

星形の痣を噛むようにキスをするとジョナサンは、緑色の瞳を覗かせた。

「おはよう、ディオ」

へにゃりと笑いを溢す。そんなジョナサンが愛らしく、ディオは手を伸ばして蒼に触れる。

「…僕は犬じゃないよ」
「俺の雌犬だろうが」
「そういう冗談嫌いだなあ……」

だがジョナサンの顔は微笑を浮かべている。嫌よ嫌よも好きのうち、ということだろうか。

―――ぐぅぅぅ。

甘い空気をぶち壊すようにジョナサンの腹の虫が泣く。ディオはすかさずパシンとジョナサンをはたく。

「お前には色気が無いのか!?」

ディオが怒り始める。

「……だって、君が僕を抱くからじゃないか」

口を尖らせた、ジョナサンが言う。それにディオの物は少し、熱を持ち始める。

「ムラムラする。抱かせろ」

そう言うなりジョナサンに抱き着いた筈だった。気づけば、顔面に拳がめり込んでいたのである。

「僕の腰を壊す気なのかい?」

溜め息を吐き出す。

朝食にでも媚薬を入れれば良かった。とディオは一人ごちた。

「……早く食べよう?ディオ。媚薬入りだったら容赦しないよ」

どうやら読まれていたらしい。普段は鈍感だがこういう時だけ鋭いのは厄介だ。

しかし、笑顔でスプーンを差し出すジョナサンにディオは胸の中が、甘い甘い水で満たされるのを感じた。


――――――――

メルト、来いをイメージした小説だったはずなのに、現パロ書いてた。


 


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