にょた195cm組の朝
ピピピ……。と目覚まし時計が朝6時を告げる。んん、と伸びをしてベッドから起き上がる。ぴょんぴょん跳ねているダークブルーの髪の毛をそのままに、自分の部屋から出て隣の部屋の前まで移動する。
「入るよ、ジョセフ」
いくら彼女が男勝りな性格とはいえ、腹を出してあられもない格好で寝ているのに目を覆いたくなる。
「ほら、起きて。もう6時だよ」
ゆさゆさと揺さぶって起こそうとする。が、その瞬間にベッドから二本の手が出てきて引きずり込まれる。あまりにも突然だったので、抵抗できなかった。
「ちょ、ジョセ……」
「ねーちゃん、もっと寝たい……」
ぐりぐりと姉の豊満なバストに胸を埋めて、甘えた声を出し、寝ようとするジョセフを必死に引き剥がそうとする。
「だめ。もう起きなきゃ。ほら、承太郎も起こさなきゃいけないんだから、」
「まだもう少しィ〜………」
もぞもぞと何回もこのやり取りをしているうちに、ジョナサンもとろとろと眠くなってしまった。だがそこに救世主が現れた。
「俺はもう起きてるし、着替えもした」
その声と同時に布団が非情にも引き剥がされ、冷気がジョセフとジョナサンを包む。
「もう6時30分だぜ、姉貴。さっさと準備しな」
「うっそォーッ!あと20分でシーザーちゃん来ちゃうじゃん!」
ばたばたと準備を始めたジョセフは日常茶飯事なので、ただジョナサンは苦笑いをするだけだった。
「ん、おはようさん、ジョナ姉」
そう言うなり背後から承太郎に抱き着かれる。ジョセフがいないこの時だけ、承太郎はジョナサンに甘える。
「あぁ、おはよう、承太郎」
くすくす笑い、自らを抱き返すジョナサン。承太郎にとって至福の時だ。幼少期から楽しみとしてるこれを、尽くジョセフがすぐに阻止する。
「ごっめーん!イチャイチャするのは学校でしてくれなァい!?」
バタバタとブレザーを羽織るジョセフに二人は弾かれた。思いっきり尻餅をついた承太郎は舌打ちをする。
「このやろ……」
「リボン、リボン………あった!ああもう時間がないんだけど!待って、シーザーちゃぁぁん!!!」
全身鏡で一通り自分の姿を見ると、ジョセフは慌ただしく部屋を出ていこうとする。
「待って!忘れ物!」
ぶんっとジョナサンが足元にあった、何かが入った紙袋を投げる。振り返りざまにキャッチする姿は、さすがと言ったところか。
ジョセフは中を確認すらせず、慌ただしく出て行った。
「さ、僕も着替えるよ、承太郎。朝ご飯は、」
「いらねぇ。じゃあ、俺は先に行く」
そういうなり、床に置いてあったペラペラの鞄を持ち、ジョセフの部屋から出ていった。
お楽しみタイムが邪魔されたのがそんなに気に食わなかったのかな、とジョナサンは取り残された部屋で1人苦笑いをした。

(了)


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