非情な天使
メガテン4パロです。ロウルートネタバレ。パロ元自体知らんくても楽しめると思います。

フリンがジョナサンで、ワルターがジョセフ、ヨナタンが承太郎です。チラッとイザボーな仗助出ます。






















ジョナサンは笑う膝を押さえながら、目の前のルシファーに刀を向ける。自身の周りには、戦地を潜り抜けた仲魔が共にいるが、怖いのには変わりない。その感情のせいで、市ヶ谷駐屯地で真っ向から自分に立ち向かった、仗助を頭に思い浮かべてしまう。今まで自分と、仲間の行動に悩み、苦しんだ挙げ句の果てに下した、最後の選択は自決だったからだ。
もう既にケガレたジョナサンの手を汚させないと。

優し過ぎる最後の決断だった。

「……どうした?立ち向かってみろ。それとも、我が怖いのか?」

「ジョナサンよ、ケガレた者の言葉に耳を貸す必要はない」

メルカバーにたしなめられる。

神の戦車、メルカバーの中には今まで共に戦った仲間、そう。承太郎が四天使と共にいる。
こんなに心強い天使がいるのに、何故自分は怯えているんだろう。自分は神に愛された、光の戦士だ。
頭を振り、煩悩を消えさせる。

「僕たちの今日の安寧を、未来永劫続けさせるにはこれしかないんだ。ルシファー、お前の命を頂戴する」

「汝の神に対する寵愛、我はしっかり受け取った。その無謀受けて立とう」

――――
―――
――


「これで終わりだ」

刀を一気に振り上げ、トドメを刺す。途端にルシファーの体がひび割れる。ぴしぴしと音をたてながら。しかし機械じみた声から聞きなれた声に変化する。

「ジョ、ナサン、ま、た俺を……っ!救ってく、れな……い、のね、んっ…!」

明らかに声の主はジョセフだった。

「え、ジョセフッ!君は悪魔に―――」
「、ま…た、………来、世でっ!」

ルシファー、いやジョセフの体は何かを言い遂げる前に崩れてしまった。

「もしかして僕、ジョセフを……」

討ってしまった。

その事実にジョナサンは市ヶ谷駐屯地に倒れ付し、仲間など誰一人いない自分は孤独なのだと思い知らされた。
仲間といえど、ジョセフとジョナサンは恋仲だった。

―――ジョナサン!

今でも手に取るように思い出せるあの声、あのぬくもり、あのやさしさ。全て思い出せる。
ジョナサンの心は死んでも治らないほど、傷ついた。

「ねぇ、承太郎。もう僕疲れちゃった。ヒーローだとかにさ」

ジョセフが愛用してた、ブルースガンをこめかみに当てる。メルカバーの制止など聞かずに、ジョナサンは脳漿をぶちまけて死んだ。

「貴様は死んではならぬ―――俺がそばにいるから」

目覚めたら、また無機質なリノリウムの床にいた。



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