静雄の休日―
新宿某マンション折原臨也宅

「シーズーちゃんっ」
「うわっいきなり抱きつくなっ」
「嬉しいくせにー」
「うざい」
「えーそんなはっきり言わなくても…」
「手前がうざい事すっからだろ」
「…そっか、ごめん…調子にのって」
「え?臨也?」
「まだ残ってる仕事してくるね」
「おいっ」



…静雄は戸惑っていた
いつものノリで抱きついてきた臨也に、つい素直になれず悪態をついてしまった
けど、こんなのはいつものことなんだがさっきの臨也の反応はなんだか気になる

あれから30分くらい経つが、少しドアを開け仕事部屋を覗いてみると普通に仕事している臨也が見える
自分の存在に気づかないようでパソコンをずっと見つめている

「臨也…」

小さい声で名前を呟く
当然、聞こえていないようだ
臨也を見てて何だかとても寂しくなり抱き締めてもらいたい気持ちになる
さっき自分で拒んでおいて勝手だと思うがまるで突然、孤独になってしまったようで切なくなってくる
カタカタとひたすら何かを打ち込む後ろ姿をじっと見つめる
その細い指で頭を撫でてほしい
何故さっき素直になれなかったのかと後悔する

「ねぇ、いつまでそうしてるの?」

突然、ドアの方を振り返りもせずに話しかけられ静雄は驚く

「シズちゃん、ほら早くおいで?抱き締めて欲しいんでしょ?」

臨也は振り返り手を広げる

「べ、つに…」
「また後悔しちゃうんじゃないの?」
「後悔なんてしてねぇよ」
「そぅ、ならいいや」
「あっ」

再びパソコンの方に体を向けようとする臨也に声をあげてしまった

「何?」
「い、臨也…その…やっぱり」

抱き締めてほしい、その言葉が恥ずかしくてどうしても言えず顔を赤くして臨也を見ることしかできない

「どうしたの?」
「…っやっぱなんでもねぇっ」
「えっ?」

臨也の探るように見てくる視線に耐えきれずバタンと大きな音を立てドアを閉めて寝室に戻ってしまった

「なんだよ、臨也のやつわかってるくせに俺にわざと言わせようとしてんだ、」

布団に潜りもごもごと愚痴をこぼす

「はぁ、また素直になれなかった…でも抱き締めてほしい何て言えねぇよ」
「素直に言えばちゃんと抱き締めてあげるのに」
「!臨也っ」

いつの間にかベッドに腰かけ、静雄の独り言に答える臨也がいた
その事に驚きながらもあからさまに恥ずかしがる

「手前っ勝手に入ってくんじゃねぇよ」
「いや、ここ俺の家だからね」
「くそっ」
「それにしてもシズちゃんは素直じゃないね」
「うるせぇよ」
「顔、真っ赤だよ、可愛い」

ギシっとベッドが軋む音がして臨也がベッドに乗り近づいてくる

「でも、素直になれなくて恥ずかしがりやなシズちゃんも大好き」

そういいながら再び静雄を抱き締める

「…うぜぇ」
「そんな事言うとまた仕事しに行っちゃうよ?」
「だ、だめだ、行ったら殺すから」

臨也の言葉に焦り、物騒な事を言いながら逃がさないように慌て抱き締め返す

「臨也…」
「なぁに?」

熱をもった目が臨也の唇を見つめる
それだけで静雄の求めていることがわかるが、口角を上げ厭らしく笑いながら答える

「わかってるくせに」
「俺だって言われなきゃわからないよ?」
「……っ」
「たまには素直に甘えてきてよ?」

「…臨也…キスして」
「ただのキスでいいの?」
「えっ、ちがっディープがい、い…」
「わかった、大好きだよシズちゃん」
「俺もっっんぅ」

キスをすると静雄から口を開き、臨也を誘う

臨也の舌が何度も何度も絡み付いてきて熱い
そのせいで顔も体も熱くなる気がした
静雄はキスが深くなる度に抱き締める腕に力をこめ、より深いキスを求めた
そんな静雄をもっと愛しく感じ静雄の頭を撫でる

自然と唇が離れ、二人の口を銀の糸が伝う

「臨也…俺、素直になれるように頑張るから…」
「頑張んなくていいよ、今のままで…」
「…ありがとう、臨也」


二人は再び強く抱き締め合いキスをした




END
(じゃあ、キスの次の段階へ)
(いや、それはマジでいい)
(シズちゃんっお願いっ)
(やだ、死ね)




―――
シズデレ萌え
やっぱシズちゃんは素直じゃない方がいいっ






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