チャプン…

「シズちゃんまだー?」
「おう、今行く」

ガチャ

「えー何で前隠してるのー?」
「手前がじろじろ見るからだよ」
「見るのは当たり前でしょっ」

二人は今、臨也のマンションの風呂に一緒に入っている
臨也は後から入ってきた恋人が腰にタオルを巻いてるのを見て不満の声を上げた

「ってか、もう体洗ったのか」
「いやまだだけど?」
「え、普通、先に体洗ってから風呂に入るだろ」
「だってシズちゃん遅いんだもんっ、それに寒いじゃん」
「だったら先に洗えばよかっ「せっかくだし洗いっこしようか」

ね?と言葉を遮り、色気のある笑みを浮かべ浴槽から出て近寄ってくる
少しも隠そうとしない臨也の色白い体はお湯の熱さのせいで仄かにピンク色に色づいてい艶かしく感じ、顔が赤くなった気がした

「じゃあ先に洗って」
「…わかったよ」

本当に自分勝手なやつだと思いながら溜め息を吐きシャワーを取ってお湯の温度を調節してから臨也の頭に向ける

「シズちゃーん」
「ん?」
「温度ちょうどいい」
「あっそ」

流すように返事をするが実際はなんだか嬉しい気持ちに支配される

シャンプーを手に取り軽く泡立ててから力を入れすぎないように気をつけて洗う
泡を洗い流すと艶のある黒髪が光りの輪を作り静雄は不覚にも見とれてしまった

「洗うの上手いね」
「別に普通だろ」
「そぅ?じゃあ次は体ねっ」
「わ、わかってるよ」

返事をしたものの明るい所で間近に見るとなんだが恥ずかしいと思うのだが、見られてる側はなんとも思って無いようにこちらの様子を伺っている
口角を上げにやにやしながら。

静雄はスポンジにボディソープをつけて臨也の体を洗っていく
背中を洗い終わり前を洗おうと後ろから手を回す

「えー俺の前に来て洗ってよ」
「別にどんな洗い方でもいいだろ」
「やだ、シズちゃんが俺の事洗ってんの見たい!」
「……」
「お願い!」

臨也はわざとらしく両手を前に合わせて頼む

「わかったよ、でも邪魔すんなよ?」
「うん!しないしない」

軽い臨也の返事を聞き前に回って体を洗う
どうしても臨也のモノが目に入ってしまい心臓が速くなる
気持ちを落ち着かせようと心がけていると、ふと声をかけられた

「シズちゃん、緊張してるの?」
「な、なんで」
「だって耳まで真っ赤だよ?」

耳元で囁き、軽く耳たぶを噛む

「んっ…、邪魔すんな」
「じゃあ今度は俺が洗う番ねっ」

いつの間にか体を流し椅子に座るように促され、静雄はおとなしく従い座る

臨也はシャンプーをしていると静雄が一瞬、嬉しそうに笑った気がして驚く

「嬉しいの?気持ちい?」
「ん、気持ちい、もう少し洗ってろ」

命令口調だが甘えている静雄がなんとも可愛く思い、後ろから抱き締める

「な、何して」
「シズちゃんかわいいっ」
「なに言ってんだっ…んぅ」
「もうシャンプーはおしまい」

キスをして静雄の言葉を遮ると髪を洗い流す

「じゃあ、次は体ね」
「手前、いきなり流すなよ目に入るじゃねぇか」
「だけどスポンジ無いから手で洗ってあげるからね」

静雄の言葉も聞かずにボディソープを手に出しながら近寄る

「えっやっちょっと待てそれなら、自分で洗うから」
「だめ」

必死に抵抗するも許してくれず結局、臨也の押しに負けて手で洗われる事になった


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