※高校生

昼休み、ガラララと教室の前のドアが開く

「新羅、臨也知らないか?」
「臨也なら誰かに呼ばれたとかで屋上に行ったよ」
「誰に呼ばれたんだ?」
「知らないよ」
「そっか」

新羅に聞いてもわからないというので自分で確めてみることにして屋上に向かう
自分から昼飯誘っといて、と心の中で呟きながら屋上につく

ドアを少し開けると話し声が聞こえてくる

なんとなく覗きこむように見るとどうやら女と二人のようで、どこかそわそわしているように見える
女は頬を赤く染めはにかんでいるその姿を見てなんとなく察した

「…あいつ、性格は悪いけど顔はいいしな」

あれは、告白OKしたのかなと呟きながら教室に戻る

「静雄ー、臨也いた?」
「居たけどなんか女も一緒だったから戻ってきた」
「そう、じゃあ一緒にお弁当食べようよ」
「あぁ」

新羅の誘いにのり一つの机の上で向かい合わせになり食べる

「静雄はさー、そのお弁当自分で作るの?」
「いや、幽が作ってくれる」
「幽くん偉いね!」
「うん」
「あはは、静雄、ご飯粒ついてる」
「え!」

ここと自分の顔を指しながらにこにこした顔で教える新羅に対して恥ずかしそうにご飯粒を取る静雄、端から見ても仲の良い友達というところだろう
ただその二人を面白くないといった不機嫌な顔で見ていた折原臨也を除いては







一週間後
「なんか最近シズちゃんに避けられてる気がする…」
「えー何で?臨也何かしたの?」
「むしろされたのは俺なんだけどね」
「どうしたの?」
「一週間位前に、お昼一緒に食べよって誘ったのに、何故か先に、しかも君と食べてたんだよねぇ、思えばあの日以来話してないかも」
「そんな睨まないでよ、それにあの時、静雄は臨也のこと探しに行ったんだよ?でも屋上で女といたからって…」
「そぅ」

新羅の言葉に相槌をつきながらにやりと笑う

「で、告白?OKしたの?」
「いや俺、シズちゃんと付き合ってるし、シズちゃん一筋だからさ」
「やっぱり、君達付き合ってたんただね」

一筋なんて似合わないこと言うんだななんて思いながら溜め息をつく

「ばれてた?」
「ばれてたって別に隠すつもりなかったでしょ?」
「まぁね」
「なら早く誤解、解いてあげなよ、静雄きっと勘違いしてるよ」
「してるだろうねぇ」

とても楽しそうに話す臨也に再び溜め息を吐く

「じゃあ、新羅、シズちゃんが戻ってきたら昼休みに屋上で待ってるって伝えといて」

お弁当も忘れずにって、とそれだけ付けたし自分の教室に戻ってしまった









―昼休み

ガチャと屋上のドアの開く音が響く

「臨也…」
「シズちゃん待ってたよ」

優しい声を久しぶりに聞いた気がすると思い静雄の頬が少し赤くなる

「シズちゃん、おいで」
「っ…」

両手を広げて待っている相手のもとへ昼ご飯のパンを握りながらゆっくりと近づく

「なんか二人きりになるの久しぶりだね」
「うん」

抱き締めながら耳元で囁けばさらに顔を赤くする

「臨也…」
「なあに?」
「いややっぱ何でもねぇ」
「そう」

ほんの少し間を空けて臨也は話しかける

「あのさ、俺はシズちゃんが思ってるよりシズちゃんのことが好きだよ?」
「……」
「だから、避けたりしないでよ、すごく悲しい」
「ごめん…、だってあん時見た女の反応が…だからやっぱ女の方が良いのかと思って」
「伝えられただけでいいって笑ってたんだよ」
「そっか」

安心した笑みを見せて返事をする

「…シズちゃん、キスしたい」
「っ」

だめ?と聞きながら静雄の顔に手を添え唇を親指でなぞる

「だめじゃ、ない…」

顔を横に振りながらとても小さい声で返事をする

「んっ、」

返事を聞くと触れるだけのキスを落とす
臨也は顔を離そうと引こうとしたが頭を押さえられそれは叶わず、変わりに静雄の唇が薄く開く
したいことを察すると今度は逆に静雄の頭を押さえ相手の口のなかに舌を入れる

「ふぁ、っん、」

どちらのともわからない唾液が顎を伝うのもきにせずにお互い夢中で舌を絡ませ合う

自然と離れた唇は色っぽく濡れている

「シズちゃん可愛い」
「…死ね」

キスの時の積極さと素直さが嘘のように悪態をつく。顔を真っ赤にさせて。

「今日の午後の授業はサボるでしょ?」
「うん、臨也といる」

いつも言わないような甘えた事をいう静雄に驚いていると嫌ならいいと慌てて付け足す

「嫌なわけないよじゃあ今から帰ろうか」
「なら俺カバン取ってくる」
「カバンなんていいよ、置いてったって別にいいじゃん」
「、そうだな」


言葉を交わすと目が合い再び深い深いキスをした



END
(これからどこ行く?)
(臨也の家)
(今日はデレるね!!)
(死ね)



――――
勘違いで落ち込む静雄に萌える
妬きもちやく臨也に萌える





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