とある休日、折原臨也は朝食を作り終え、つい一時間ほど前まで自分自身も寝ていたベッドへ恋人である平和島静雄を起こしに向かった
ベッドの上でぐしゃぐしゃになった掛け布団を抱き締め、無防備な寝顔の静雄に思わず頬が緩む

「シズちゃん、朝ご飯できたよ」
「…ん、ぅ」
「ほら、起きて!」
「ん、やだ」
「やじゃないでしょ、今日は一緒に借りてきたDVD見るって言ってたじゃん」

臨也が静雄の体を軽く揺さぶると、眉間に皺を寄せ、より強くぎゅうっと掛け布団を抱き締めた
掛け布団そこ代われ、なんて冗談を言いながら臨也は少し傷んでいる金髪に指を絡ませる

「シズちゃんが起きないなら俺、一人で見ちゃうからね?」
「やだ」
「なら、起きてっ」
「ん、今何時?」
「10時過ぎ」
「んー、…」

掛け時計に目をやり時刻を伝えると静雄は再び目を閉じてしまった
溜め息を一つ吐き、少しの間寝顔を見つめてからその柔らかそうな唇に臨也は自分のを重ねてみる

「シズちゃん…っン」
「!、ふぅ、ンう、はッ、い、いきなり何すんだ」
「だって、また寝ようとしてるんだもん、ちゃんと起きてよ」
「も、もう起きた」
「顔真っ赤だぁ」

キスなんてもう何度もしてるのに、毎回顔を赤くするなんて本当にかわいいと思い今度は額にキスをした

「臨也ぁ…」
「ん?」
「もう一回して」
「どこに?」
「…くちびる」
「かわいい」
「んン、はっん、んぅ」

臨也は唇を離し静雄の口の端から垂れている唾液を舐めとると、その些細な刺激にも、ぶるっと肩を振るわせ悩ましげに眉を八の字に寄せる様子はまるで処女のようで無意識に興奮しているのに気づいた

「臨也?どうしたんだ?」
「あ、いや、シズちゃんがもう一回してなんて言ってくれて嬉しいなって思ってさ」
「何、改まってんだよ」
「そうだね…、!あ、」
「電話か?」
「そうみたい、波江さんからだ」

ベッドの上で二人寄り添っていると不意に臨也の携帯が鳴り響いた
ディスプレイを確認すると相手は臨也の仕事の助手である矢霧波江からだった
彼女からの電話は仕事関連の話以外はありえないので部屋を出てから電話に出ようと立ち上がろうとしたのだが静雄に裾を引っ張られ阻止される

「シズちゃん?」
「ここで電話しろよ」
「でも、仕事の事だから」
「俺、聞かねぇし、それに聞いてもどうせ意味わかねぇから」
「シズちゃん」
「行くなよ…」
「わかった」

ベッドに座っていた臨也の腰に抱きつき駄々をこねる子供のように言えば、やはり臨也の方が折れた

「なるべく早く終わらせるから」
「うん」
「あ、もしもし、波江さん?どうしたの?…うん、……それで?…………そう……」

どうやら電話の内容は単純な報告と言うわけではなく、少しややこしいことになっているようで中々、切れずにいた
すると通話開始から20分が過ぎようとした頃、待ちくたびれた静雄はちょっかいを出し始めたのだ

最初は手を強く握ったり、脇腹をくすぐったりといたずらっ子のような事をしていたが、いずれも適当にあしらわれてしまう
それが面白くなく、何となく臨也の名前を呼ぶと慌てたように人差し指を口の前に立て、静かにしてというサインをされ、そのサインを見てあることを思いついた静雄はにやりと不敵に笑った

「…じゃぁ、そこから先は波江さんに任せっンぁ」

「いや、なんでも、ァっない、」

「ん、うん、じゃあ任せたから、…じゃあ、よろしく」

静雄は通話中で反撃できないことを良いことに臨也の首や耳を舌で愛撫し始めたのだった
その部位は静雄が唯一知る臨也の弱い所であり、確かに反応している臨也に優越感を感じていると早々に通話が打ち切られた

「シズちゃん何してるの?」
「なにもしてない」
「嘘はよくないなぁ」
「だ、だって臨也がっ」
「俺が?」
「すぐに終らせるって言ったのに」

臨也は電話を終えると直ぐ様、逃げられないように静雄に覆い被さり視線を合わせ、わざとらしく問い詰める

「仕事の大事な用だったんだよ?」
「今日は休みだろ」
「でも、俺の仕事は休みだからって丸一日休める訳じゃないの、今みたいに電話だってかかってくるし」
「、俺だって臨也と話したい…」
「っ」

軽い口喧嘩になりそうな雰囲気が漂う中、目にうっすらと涙を溜め、聞こえるか聞こえないかの小さい声で放った静雄の言葉に臨也は不覚にも動揺し心音が速くなり顔が熱くなるのを感じた

「なんで黙るんだよ」
「シズちゃんがかわいすぎるから」
「な、なんだよそれ」
「ねぇ、今度はシズちゃんからキスしてよ」
「話の途中だろうが」
「もう、終わりにして仲直りしようよ」
「別に喧嘩してたわけじゃねぇ」

臨也は元々、あまり無い距離をより縮めると耳許で囁いた

「シズちゃん、…大好きだよ」
「急に何言って」
「愛してる」
「ッ、そ、それはずるいだろ」
「可愛い、本当に可愛い」
「うるせぇ」
「シズちゃんは俺のこと好き?」
「あ、当たり前だろ」
「じゃあ、早くシて?」
「わ、わかったよ、 、ンっ」
「ふッン、もっと、んんっ」
「ふぁ、ンン、ッも、いいだろ」

暫く角度を変え触れるだけのキスを続けると、限界とばかりに静雄は口を離し、恥ずかしさからか枕に顔を埋めてしまった

「シズちゃん、顔隠しても真っ赤な耳が見えてるよ?」
「臨也のせいだ」
「そうだね、ごめん」

いまだ顔を埋めたままの静雄の後頭部になんども口づけてからペットの犬を撫でるかのように頭を撫でた

「顔あげてくれないの?」
「うん」
「じゃあ、俺も横に寝ようかな」
「えっ」

ギシッとベッドが軋む音と共に臨也に抱き寄せられ心地良い温もりに気持ちが落ち着く

「やっぱさ、DVD見て時間過ごすよりもこうやってラブラブしてる方がいいね」
「ラブラブとか言うな、うざいから」
「じゃあ、イチャイチャ」
「それもうぜぇ」
「なら、なんて言うの?」
「知るか」
「まぁいいや、シズちゃんとこうしていられれば」
「なぁ、臨也」
「ん?」
「さっきちゃんと言えなかったけど俺もお前のこと愛してるから」
「…このタイミングで言ってくるとか策士だねシズちゃん」
「さくしって何だよ?」
「もう、何でもいい!俺もシズちゃんラァァァッヴ!!」




END
(臨:という俺たちのある休日を話してみたけど、どうだった?)
(静:プレゼントとは言い難い話で悪い)
(臨:でも、確かに愛はある!)
(静:うざ)
(臨:…今のは聞こえなかった事にして、さありさん!凄く遅れちゃったけど…)
(臨静:誕生日おめでとう!!)



――――――
さぁちゃぁぁあんっ
誕生日おめでとう!!><
遅れてしまってすいません!
もう9月入ってるし!
本当は誕生日に届けたかったのに…
私の誕生日の時には素敵なイラストでお祝いしてくれてありがとうございました!
またいろいろ話そうね!
これからもよろしくお願いします(*^^*)



×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -