俺は今、非常にいらいらしている
原因はご存知の通りクソノミ蟲だ…


俺はファーストフード店の窓側の席で昼飯を食べていた
窓の外をしきりに道路を走る車や歩道を歩く人を見ながらやっぱ池袋は人が多いな、なんてぼんやりと考えていると建物の壁に寄りかかる黒い塊…−折原臨也がいたアイツ、何しに来やがったんだとバニラシェーキを飲みながら睨んでいると臨也は人を待っているようでそこから動かなかった
すると間もなくして見知らぬ女が臨也の元に駆け寄る
その様子を見ると随分と親しそうだ

「ノミ蟲の癖に彼女いたのかよ…」
と無意識に呟いていた
女は必要以上に臨也に近寄り楽しそうに何かを話している
その光景は静雄に原因不明のむかむかする感情をもたらした
はぁ、と溜め息を吐くとこんな所には居たくないというように静雄は帰ろうと直ぐに席を立つ
が、その時たまたま女の腰に手をまわしている臨也が視界に入り臨也と目が合った
目が合うなり臨也はニヤッと口元だけ笑うのを見ると何故だか慌てて目を逸らしてしまい再び二人の方を見ると臨也はもう女と会話を始めていた

静雄は何とも言えない怒りだかなんだかわからない気持ちが込み上がってくる
そぅ、この何とも原因のわからない感情が今、静雄をいらいらさせていた

「くそッ何ださっきのうぜぇ笑い方は!!ぁあ!!本当にアイツを見かけるといらいらする!!」

独り言とも言えないくらいの声で明らかに機嫌の悪いオーラを出しながら歩道を歩く静雄に他の通行人は道あけるが静雄は気にしないで文句を言いながら歩く

「お、静雄じゃん」
「…ん?あぁ、門田」
「今日は機嫌悪いな、また臨y…」

また臨也絡みか?と続けようとした門田に物凄い形相で睨みつける
名前すら聞きたくないらしい…まぁ、いつもの事か…今回も相当嫌なことがあったな、と感じた門田は臨也の名前を出さないように気を付けながら話を進める

「ま、その、なんだ…コーヒーでも飲むか?そこの公園、自販機あっただろ!奢る」
「え、悪いから」

缶コーヒーくらい気にすんなと門田に言われた静雄はコーヒーを手に持ってきた門田と公園のベンチに座ると、はぁと盛大な溜め息を吐く
その様子を見て門田は話しかけた
「なぁ、静雄今日なんかあったのか?」
「…別に、ただノミ蟲がまた池袋に来てた」
「へぇ、会ったのか?」
「いや…、見かけただけ」
「えっ?」

見かけただけだと聞いて門田は驚いた
いつもの二人なら周りの事など一切気にせずいろんな公共物を破壊しながら追いかけっこをするというのに臨也を見かけただけでおとなしくしている静雄を見て驚くのは不思議ではなかった

「…珍しいな、お前が…その見かけて見過ごすなんて」

臨也とうっかり言ってしまわないように門田は少し探りを入れてみる

「あぁ、なんかあいつ女と居たから…彼女居たなんて知らなかったんだけど…まぁ顔はいいかもしれねぇからな、なんかそれ見てからむかむかするってか、あぁもう!うぜぇ!!」
「え?」
「ん?何だ?」
「あ、いや、お前があいつのこと良く言うの初めて聞いたから何か驚いたっつうか」

ハハッと笑う門田を見て自分で言ったことを思い出し静雄は微かに頬を赤らめ慌てて下を向く
その姿を見て門田は静雄がいらいらしている原因が判ったような気がした

「…静雄?」
「んだよ」
「あ、いや突然下向くから…」
「下向いちゃいけぇのかよ」
「そういうわけじゃ…」
「シーズちゃんッ、ドタチン苛めちゃだめだよー?」

静雄の返事に言葉を詰まらせているとふと、門田の後ろから自分達をふざけた呼び方する人物の声が聞こえた
その人物を特定しその方向を反射的に向く

「「臨也!!」」

そこには、まさにいま話題にしていた折原臨也が口元をにやつかせ片手を振りながらやぁ、などと挨拶し立っていた

「てめぇ、なんでここにいやがる!!何しに来た!!」
「し、静雄、落ち着けって!」
「別に、俺がいつ、どこにいようがシズちゃんには関係ないでしょ?」
「あぁ、関係ねぇ!!だが胸くそ悪くなるから俺の前には現れるな!!」
「シズちゃん酷いなー俺、シズちゃんが一人で寂しいと思って来てあけだのに」
「寂しくなんかねぇよ、死ね」
「…あの時、目合ったよね?」

臨也は低い声でわざとらしく耳元で囁くと顔を赤くして静雄は黙ってしまった

「ドタチン、シズちゃん借りるね!」
「あぁ」

静雄が黙ってしまったのを良いことに門田に話しかけると門田は溜め息を吐いて返事をし公園を出た
「ねぇ、シズちゃんあの時目ぇ合ったよね?何で逸らしたの?」
「死ね」
「答えになってないよ?ちゃんと答えて?」
「う、うるせぇよ!俺だってそんなの知るかよ」
「自分でしたことなのにわからないなんて、やっぱりシズちゃんは馬鹿だなぁ」

静雄を馬鹿にしながら笑う臨也を静雄は舌打ちをし、死ねと言いながら睨むのに対して怖ーいなんて臨也は軽く受け流す

「くそっ、ってか手前、連れはいいのかよ?」
「え?連れ?」
「…さっき一緒にいた女だよ」
「あぁ、あれはもう用が済んだ」
「いつから付き合ってたんだよ」
「え?俺、誰とも付き合ってないけどー?」
「さっきの彼女じゃねぇのかよ?」
「何言ってんの、シズちゃん?さっきの人はただの仕事関係の人だから!」
「でも腰に手ぇまわしてたじゃねぇか」
と言って静雄は直ぐに自分は何を言ってるんだと慌てる

「あぁ、あれはお得意様だからサービス?ってか親近感わかせようと思ってさ」
「ふぅん、まぁ別に俺には関係ねぇけど」
「自分から言っておいて何それ」

臨也は静雄の反応にクスクスと笑いそれを見て笑ってんじゃねぇよと反論するがなんだか恥ずかしくなり静雄は顔を逸らす

「ってかさ、シズちゃんってさー」
「な、何だよ」
「本当に俺の事、大好きだよねー」
「は!?馬鹿じゃねの?やっぱり手前はノミ蟲だな!」

「顔、赤いよ?」

慌てて反論する静雄に近より事実を伝える

「赤くなんかな「シズちゃん、シズちゃんのそのむかむかしたような気持ちは嫉妬っていうだよ?」
「手前ぇ話聞いてたのか」
「違うよ聞こえてきたんだよ!」
「聞いてた事には変わりねぇじゃねぇか!!」

聞かれていたことに恥ずかしくなり静雄は顔が更に赤くなるのを感じた
頬が熱い

「シズちゃん、嬉しかったよかっこいいって言ってくれて」

と言うと臨也は悪戯っぽく笑う
静雄はもう何も言えず顔を伏せるだけだった

「かっこいいなんていってねぇよ、ばか」

「後ね、嫉妬してくれたのも嬉しかった…俺もシズちゃんの事大好き」
「…!?…っふウン」

臨也は一方的に告げると優しく静雄に口づけた

「可愛い…」
「…なっ、お前!いきなり//」
「俺達、両思いだねぇ?付き合っちゃおうか?」

尚もまだ臨也は悪戯っぽく笑う

「お、俺は別にお前の事なんか…」
「嫌い?」
「いや…でも」
「まったくシズちゃんは恥ずかしがりやな上に素直じゃないんだから…俺、本当にシズちゃんの事しか考えられないくらい好きだよ?だからシズちゃんも俺の事好きになってよ」
「//!!そ、そこまで言うなら仕方ないから好きになってやるよ…!」
「本当、素直じゃないね、シズちゃん」
「…!っんンはぁん、ぁう」
「シズちゃん可愛い」

頑張って理由を考えて話す静雄が可愛いくなりさっきよりも長く口づけると静雄は再び顔を真っ赤にし下を向いている

そんな様子を静雄を愛しくみつめながら
「まぁ、シズちゃんに見せつけるためにわざとあの女に必要以上に近寄ったんだけどね」
と厭らしく呟いたのを静雄は知らない


END
「臨也、今から俺の家来い」
「何でー?」
「そ、外だといずれぇから」
「ふーん、いいよ?」
「手前ェ何笑ってんだよ」
「別にー?(シズちゃんってわかりやすいな)」



―――
最後がぐだぐたになっちゃいました
あ、最後どころじゃなくて全体にぐだぐだですね…










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