「苗字とは同じクラスなんだ」

にこにこして髪をいじりる次郎の話を僕は口をもぐもぐと動かしながら聞いている。

「苗字と話そうとするといつも緊張しちゃうんだけど、今日はちゃんと話せたんだ!」

凄いだろー、と言う次郎に僕は目を向けた。次郎は僕の食べているものを突っつきながら再び話し出す。

「苗字は凄いんだ!優しくて可愛くて、俺と同じでペンギンが好きなんだ!」

良い奴だろ?と聞いてくる次郎に僕はうなずくがそれが次郎に分かったのかは分からない。

「苗字もな、ペンギン飼ってるんだって!ペンギン飼うのって大変だから…あ、ペン太を大変だなんて思ってないからな!…で、苗字もやっぱり大変だなんて思ってないって!」

確かに僕たちペンギンを普通の家で飼うのは大変なのは自覚している。だけど、次郎は大変だと思わないっていつも話してくれるから大好きだ。

「苗字のペンギンとペン太、会えたらいいな!」

そしたら俺も苗字と会えるし、と次郎ははにかんだ。




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