仕切られた空間、狭く動きが取り辛いこの空間に僕と彼女はいたんだ。

彼女は僕より後からここに来た。僕は彼女を一目見たときから彼女が好きだったんだ。

だから僕は彼女と仲良くなりたくて、毎日毎日話しかけて一緒に遊んだ。

それだけで僕は幸せだったんだ。

なのに人間が僕の幸せを奪った。

彼女と僕を別の空間に入れたんだ。

隣の空間にいる彼女。

透明な厚いガラスで仕切られた向こうにいる彼女に僕は毎日壁を叩いた。

けれど、僕がもう一度彼女に触れる事は無かったんだ。

それから何故か人間の所に行く事になった。

僕から幸せを奪った人間。

でも、僕が飼われる事になった人間は優しくて良い奴だったんだ。

名前は、佐久間次郎。

僕は次郎って呼んでるんだ。

僕は次郎の所で生活しながら、もう一度彼女に出会える事を強く願った。



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