報告に


「真衣!豪炎寺と付き合い出したって、ホント!?」
「…ん、?」

3日目、何だか叫ばれた気がする。夢か現実か曖昧なのは起きてすぐには働かない私の頭のせい。ぼーっとしながらも目をこすれば目の前には別室な筈のマックスがいる。やっぱり夢か、そうか。

…って、

「なんでマックスがいるのよおおお!」

夏なのに暑苦しい猫耳ニット帽をつけたマックス(本人曰く帽子は夏仕様らしい)が私の肩を揺らす。

「そんな事より!ホントなの!」
「なにが」
「だから豪炎寺と付き合い出したって!」
「ああ、ホントだよ」
「なんで教えてくれなかったのさ」
「だって昨日の夜からだし」
「それでも教えてくれよ!悪友なのに」
「そこは親友なのに、って言えよ」

真衣の馬鹿!と言いつつも、顔はおめでとう、と言っているマックス。

「おめでとう」

ほら、やっぱりね。

「けどさ、」
「ん?」
「なんでマックスが知ってるわけ?まだ鬼道とかしか知らない筈なんだけど」
「ああ、なんか鬼道が一之瀬に話したら一之瀬が皆の部屋回って言いふらしてたし」
「一之瀬ええええええええ!」

マックスを部屋に残して一之瀬を探しに出た。丁度、一之瀬は目の前の自販機の所にいたので捕まえる。

「一之瀬!」
「あ、おはよう!」

キラッ、とポーズをする一之瀬も今ばかりは爽やかだと思えない。

「勝手に言いふらしてんじゃねぇーコノヤロー!」
「だって付き合ってすぐに教えてくれなかったからさ」
「昨日の夜からだから今日言うつもりだったの!」
「ま、いいじゃん」
「よくないっ!」

皆に言う前に知られたじゃん!そりゃ、皆に言う手間は省けたけどさ。

「ごめんねっ」
「もうっ!」

あー、もうなるようになるよ。とりあえず、お腹減った。

「朝ごはん食べに行こ〜」
「あ、豪炎寺たちは先に行ってたよ」
「先に言え!」

豪炎寺もなんで起こしてくれなかったのさ!そりゃ豪炎寺は優しいから起こさないでくれたんだろうけどマックスに起こされるなら豪炎寺が良かった、じゃなくて早く行こう。




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