君がキャプテン


「なァなァ河野!」
「え?」

朝のHRが終わって、1時間目の準備の時オレンジのヘアバンドを付けた男子に話しかけられた。

「俺、円堂守!よろしくな!」

そう言ってブンブンと私の手を握って振る。

「うん、よろしく」

私も笑顔で振り返す。
円堂のこのノリ、好き。

「河野って、アメリカから来たんだよな?」
「そうだよ?」
「なら、なんでそんなに日本語話せるの?」
「私、8歳の頃まで日本にいたから。その後はアメリカのインターナショナルスクールに通ってたの」
「河野、凄いな!」
「そんな事ないよ」
「スゲーって!」

な、豪炎寺。と円堂が豪炎寺に言うと豪炎寺もああ、と頷く。

「円堂と豪炎寺、仲良いの?」
「ああ!俺達、雷門サッカー部なんだ!」
「へぇ!サッカーやるの?」

サッカー好きなんだよね、私。アメリカではアメフトとか野球とかの方がメジャーだったから、あんまりできなかったんだけど。

「今度部活見に行ってもいい?」
「もちろん!」
「あ‥でも、キャプテンとかに見学していいか聞いた方がいいかな?」
「俺、キャプテン!」
「…え?」

円堂が、キャプテン?
なんかイメージ的に豪炎寺とかがキャプテンの方がしっくりくるっていうか、円堂は子供っぽいっていうか。

豪炎寺に目で訴えると豪炎寺は苦笑しながら肯定する。

円堂がキャプテンのサッカー部。きっと変わり者揃いな気がする。




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