神様が笑う


「つーながリーヨー、広がリーヨー」

プラプラと買い物袋をぶら下げて歌いながら帰る。買い物は意外と早く終わり、豪炎寺とはあまり気まずくもない。

「河野、」
「んー?」

途中、いきなり豪炎寺が足を止めた。呼ばれて振り向けば豪炎寺が私を見てるのが分かる。

海岸沿いを歩いていて、夕方の今。豪炎寺は赤い炎を纏っているように見える。

「どうか、した…?」
「河野…分かっているだろ」
「…うん、」
「俺は、お前が…「おーい!ごーえんじー!」
「え、円堂くん駄目だったら!」
「円堂!」
「秋ちゃん!」

豪炎寺の言葉を遮り登場したのは円堂。そしてそれを止めようとしてたのは秋ちゃん。

さっきまでの空気とは打って変わり賑やかな空気になった。


「真衣ちゃん、ごめんね」
「秋ちゃんのせいじゃないしね、大丈夫だよ」

まるで神様の悪戯のよう。私にどうするんだ、と尋ねてくるような。



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