不思議な反応


それから夕食を済ませて部屋へ戻った。胸の中はもやもやとしたものが詰まっている。

「なんか皆変だったよね」
「うん、何かあったのかな?」
「ななななな何もない!何もないよな、豪炎寺!」
「あ、ああ…」

この通り円堂は相変わらずしっかり喋れてないし、豪炎寺は私と目を合わせようとしないし。ご飯の時なんか風丸鬼道以外の男は誰一人まともに喋れてなかった。

これは何かあったとしか思えないんだけど、皆揃って何もないって言うし。あ、そういや風丸が後で説明してくれるんだっけか。今から行こうかな。…ダメだ、さっき風丸は鬼道とどこかに行っちゃったじゃん。ふざけろよ鬼道コノヤロー。

「秋ちゃん、私ちょっとその辺散歩してくるね!」
「うん、私は円堂くんと皆の部屋の見回り行くね」
「わかった!あ、じゃ豪炎寺!豪炎寺一緒に散歩行こ!」
「あ、いや…」
「豪炎寺、行かない?」
「…行こう。少し待ってろ」
「うんっ!」

円堂と秋ちゃんもいないなら豪炎寺一人で部屋にいる事になるしね。

「河野、」
「んー?」
「その格好で行くつもりか?」
「そだよ?」
「上、羽織れ」
「えー‥」
「いくら夏設置とはいえ、夜はもう冷えるぞ」
「うー」
「ほら、」

パサッ、と肩にかけてくれてから豪炎寺は私の手を引いた。

あー、こうやってサラッと手を繋ぐのは豪炎寺だけだな。マックスは例外だけど。



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