風邪っぴき追加


結局、6限目の間は爆睡して、放課後豪炎寺が迎えに来た。何故かマックスも一緒に。

「なんでマックス?」
「僕も頭痛いんだよね」

瞬時に嘘だ、と思ったけどよく見ればマックスの顔色は悪い。豪炎寺は苦笑して、こいつも熱あるみたいなんだ…と言われた。

「だから僕も真衣も今日は部活休みだって。円堂が言ってた」
「え…」

部活、出るつもりだったのに。

「部活出るとか言うなよ」
「う…豪炎寺のばーか」
「俺に言うな。文句あるならしっかり治してから言え」
「…はーい」

てな訳で、私はマックスと豪炎寺と帰宅。豪炎寺は今日は病院に用があるから早く帰るんだって。きっと、このあいだ知った夕香ちゃんに会いに行くんだ。

マックス、私、豪炎寺の順で横に並んで帰る。
「あーあ、悪友2人して風邪か」
「真衣の日頃の行いが悪いから僕まで巻き込まれたんだよ」
「マックスのがよっぽども悪どいでしょー」
「どっちも変わらないだろう」
「豪炎寺は私の味方だと思ってたのに!裏切者!」
「俺は最初からお前の味方なんて言ってない」

ギャーギャー騒ぎながら(主に私)帰宅する。体調悪い筈なのに、な。頭痛いのは間違いないんだけど。

なんか手軽いし、と思ったら鞄がない。

「鞄ないっ!」
「…俺が持ってる」

と、豪炎寺の手には私の鞄。

「真衣〜、自分のちゃんと持ちなよね〜」
「ごめん、豪炎寺」
「いや、」

豪炎寺から鞄を受け取る時には既に我が家の目の前。

「…ありがとう、豪炎寺」
「真衣〜、僕にはー?」
「マックスには何もして貰ってない」
「ひどーい」

あはは、と笑いながら手を振る。

玄関の扉を開ける時に、ふと気付く。

病院、逆方向じゃなかったっけ。

マックスの家もこっちじゃないよね。

(慣れない女の子扱い)




[*前] | [次#]