デート


「デートしてくるね!」
「「ハァァァァア!?」」

それは部活終了後の部室。
私の一言で部員の叫び声が聞こえる。秋ちゃんと春奈ちゃんと夏美だけは苦笑している。

「だから、デートしてくるから明日の部活遅れるね」
「…だ、誰だ、こんな奴とデートだなんてする奴は」
「なによ、半田。妬きもち?」
「違う!」
「デートで部活遅れるなんて許せる訳がないだろう」
「うるさい、鬼道。明日は駄目なの。それに明日は春奈ちゃんもデートだったよね?」
「あ、はい!お兄ちゃん、私も遅れるね!」
「春奈!?」

春奈ちゃんの一言に鬼道は動揺中。流石シスコン。

「で、円堂。ちょっと遅れるけどごめんね」
「おう!終わったら来いよ!」
「うん!あ、秋ちゃんと借りるね。明日Wデートだから」
「へ、秋も!?」
「うん、あ…夏美も明日は遅れるらしいよ」
「ええ、よろしくね円堂君」
「あ、あ…ああ」

フフッ、円堂もオロオロしだしたよ。秋ちゃんがデート、って言ったからね。


てな訳で。

デートしてきます!




翌朝、私はワンピースを着て待ち合わせの駅前に行く。

既に待ち人は来ていて。

「おーい!秋ちゃーん!春奈ちゃーん!夏美ー!」

そうなんです。

今日は女の子4人でデート…お買い物なのです。

ま、お買い物というかサッカー部への差し入れを作りに、だけど。

「真衣ちゃんは唯一選手だから、何がいいかアドバイスお願いね」
「うん!私、はちみつレモンがいいなー。簡単だけど、美味しいからね」

ていう私の意見ではちみつとレモン、それからヨーグルトを買いに行ってから秋ちゃん家で作る。

そして昼ごはんも食べてから、部活へ行く。

「皆もう練習してるねー」
「んー、秋ちゃん」
「うん?」
「秋ちゃんが円堂に持って行ってね」
「ふぇ!?」

小声で秋ちゃんに言うと秋ちゃんは真っ赤になる。

可愛いなー。

その後。

皆に差し入れをすると皆は笑顔で食べてくれた。

私が誰に真っ先に渡したかは秘密。




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