ある日曜日


日曜日の部活終えてからの夕方。
私は近くの、と言っても自転車で20分だけど、お気に入りの文房具屋さんに向かった。

「あ、このシャーペン可愛いー」

ペンギンのチャームが付いてるシャーペン。色は水色とピンクと黄緑の3色。

「水色のが1番可愛いかな」

と、手を伸ばすとお決まりの展開というか何というか、隣の人と手が重なる。

「「あ…」」

隣の人を見れば水色の私と同じくらいの長さの髪に眼帯をしている人。

「めっちゃ可愛い…」

って!何を馬鹿正直に言ってるんだよ、私。

だけど、水色の髪の人は意味を捉え違えたらしい。

「やっぱりペンギン可愛いよな!このシャーペン、君も買うの?」
「あ、うん。…てか、もしかして男なの!?」
「へ?普通にそうだけど」
「私、女の子かと思ったのに!」
「あー、うん。…よく言われる」
「やっぱり!?めっちゃ可愛いもんね!えーと、名前は?」
「佐久間。佐久間次郎」
「佐久間、ね!私は河野真衣!雷門中なの!」
「へー俺は帝国」

帝国、か。あれ、どっかで聞いたような学校だな。

「ならさ、河野」
「真衣でいいよ」
「うん、真衣」
「なに?」
「鬼道、知ってるか?鬼道有人、サッカー部の」
「鬼道?知ってるっていうか、チームメイトだけど…」

そう言いながら思い出す。
そうじゃん、鬼道って確か前は帝国にいたんだよね。

「そうなのか!?じゃ真衣もサッカーやるのか?」
「うん。佐久間も?」
「ああ!」

へー、帝国サッカー部か。
面白そうだね。


とりあえず、私と佐久間はメルアドを交換してお互いにシャーペンを購入してさよならした。

((お揃いの、))((シャーペン))



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