実行する


「よろしく、豪炎寺」
「ああ」
「豪炎寺は怖いの苦手?」
「イヤ…別に」
「そっか…」

チッ、残念。

「そういえば、」
「なに、豪炎寺?」
「鬼道とグルだろう」
「…な、なんで?」
「じゃないと鬼道があんな簡単にOKを出す筈がない」
「…すみません」

鬼道の馬鹿野郎!もっと上手くやれよな!(※真衣の責任です)

ああ、もうこの際白状しますか。

「私と鬼道、それからマックスもグルなの。で、皆の驚きっぷりを楽しもう!みたいな感じで鬼道財閥がお化けの準備してくれてるの」
「まァ、そんな所だろうな」
「…うん」

ごめん、と呟けば豪炎寺は珍しくニヤリと笑う。

「面白そうだな」
「っ!そうこなくっちゃ!」
「…ああ、」

ガバッと何時もの如く抱き着くと豪炎寺は抵抗をしない。きっと、慣れだ。鬼道は避けるという慣れ方だけど、豪炎寺は諦めという慣れ。

「豪炎寺!さっさと行って皆の様子見よう!」
「あ、おい…」

私は豪炎寺の手を引っ張ってずんずんと肝だめしのルートを進む。その間たくさんの悲鳴が聞こえる。

「「キャァァァア!」」

うん、今のは秋ちゃんと春奈ちゃん。

「うわぁぁあ!!」
「ヒィィィイ!」

今のは壁山と目金だな。

あ、ちなみに皆の驚きっぷりは鬼道財閥の力で全てビデオに収められている。

後で鬼道とマックス、豪炎寺と見よう。

「真衣〜」
「あ、マックス!それに鬼道も!」

後ろを振り替えればマックスと鬼道のペアが。なんでこんなに都合のいい組み合わせかというのはノーコメントで。

「豪炎寺にバレちゃった。豪炎寺、怖いの大丈夫なんだもん」
「ああ、豪炎寺は仕方ない」
「うん、そうだね〜。それよりも、なんで真衣と豪炎寺が手を繋いでるのかが気になるな」
「あ…」

完全に頭に無かったよ。ノリで豪炎寺の手を掴んでたのを。

「イヤ〜ノリで、みたいな?何ならマックスも手繋ぐ?」
「繋ぐ繋ぐ〜」

と、マックスは豪炎寺と手を繋いでいない方の私の手を握る。

それを見て鬼道は何やら考えている様子。

「なに、鬼道」
「そうやってみるとマックスと河野は姉弟に見えるな。豪炎寺とだと普通に恋人、という雰囲気なんだが」
「そう?」

ま、マックスだしね。

マックス可愛いから。


なんて、のほほんとしてる場合じゃなかった。

「他の人の状況は?」




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